AKB48グループ総監督の横山由依(23)は、初の神7(セブン=7位以内)入りを掲げた。4月8日に卒業した高橋みなみ(25)から大役を引き継いでも、1人のメンバーとしての夢も追い続ける。全ては個人でもグループとしても、国民的アイドルグループの名にふさわしい知名度を獲得するためだ。 

 昨年に続いて、神7を明確な目標に定めた。一昨年までは「キャプテンとしてチームを優先しよう」と、目標順位を口にするのは控えていた。高橋に最も責任の重いAKB48グループ総監督の後継に指名された後の前回からは、逆にAKBでアイドルを生きる原点に立ち返った。「総監督になっても、いちメンバーであり続けることが一番大事と気付いたんです」。自分自身と向き合うと「私だって、もっと前列に立ちたいし、歌うパートも増やしたいから、総選挙でもっと上に行きたい」との本心が、ふつふつと湧いてきた。

 「それにメンバー1人1人が常に上を目指す姿勢でいないと、AKB自体も押し上がれない」。前田敦子も大島優子も高橋も去ったからこそ、余計に「私は、自分の名前もAKBも、もっと一般の方々に知ってもらえるようになりたいんです」。メンバーやスタッフだけでなく、マスコミとも積極的に意見交換する。グループ結成11年目。“新たな10年”のために365日、AKBのことを考えて生きている。「新しいことを始めようと、いろいろ考えていると、自然と毎日ワクワク過ごせるんです」。

 「水滴石穿(すいてきせきせん)」としたためた。水滴も同じ位置に落ち続ければ、いつかは石に穴をあけられる。「諦めずに根気よく努力すれば、必ず成就する」「小さな力も積み重ねれば強大な力になる」という意味。前向きで地に足も着けている。優しい性格でも、頼りがいも兼ね備えた新リーダーだ。

 ◆横山由依(よこやま・ゆい)1992年(平4)12月8日、京都府生まれ。愛称「ゆいはん」。09年9月AKB48の9期生として加入。12~13年はNMB48兼任。ユニットNot yetでも活躍。所属チームはK→A→K→A。選抜総選挙は第2回から圏外→19→15→13→13→10位。血液型B。