NMB48渡辺美優紀(22)の卒業コンサートが4日、神戸・ワールド記念ホールで最終日を迎え、盟友の山本彩(22)が初作曲した楽曲「今ならば」と、ファン、メンバーへ向けたメッセージを贈った。

 同じ創設メンバーで、渡辺の抜けた後のNMB48を「引っ張る」と宣言していた白間美瑠(18)が、あらためて「私がこれからNMB48を引っ張っていく」と宣言した後、山本がマイクを握った。

 「みるきーの穴を埋めるとか、そういうのではなくて、みんながそれぞれ自分らしさを磨いてほしい」

 10年秋の創設から約5年半。NMB48が歩き始めたころ、渡辺はセンターとしてグループの顔、山本はキャプテンとしてチームをまとめてきた。2人のエースが競い合い、グループを引っ張ってきた。山本が当時を振り返って続ける。

 「私自身、かわいくて、人なつっこくて、自分に持っていない物をたくさん持っているみるきーがうらやましいと思っていた。そんなみるきーと比べられ、比較され、最初のころはそのたびに嫌な気持ちになった。でも、隣にいたのがみるきーやから、やってこれた。私らしくいられた。隣にいたのがみるきーで良かったなと思います」

 ライバルへの嫉妬心、競争心、あこがれを素直に口にし、渡辺も、ステージにいた後輩たちも大きくうなずいた。

 そんな2人のライバル関係と、複雑な友情を、秋元康氏が詞につづった作品が2人のもとに届いた。これに、山本が曲をつけ、初作曲の楽曲として渡辺に贈ったのが、この日、初披露された「今ならば」だった。

 次作シングル「僕はいない」(8月3日発売)の収録曲で、この日のライブでは、最後まで笑顔を貫いた渡辺に対し、山本は目にいっぱいの涙をため、歌い上げた。

 “最初で最後”のデュエット曲と、“最後”の「さやみるきー」に、会場の満員6000人ファンからは大きな拍手。渡辺は「本当に本当に、私のことを約5年半、応援してくださって、ありがとうございます。ファンの皆さん、メンバーのみんな、感謝の気持ちでいっぱいです」などとあいさつし、最後まで涙はなし。笑顔を貫き、別れを告げた。