48グループきっての個性派で、今月限りで卒業する木下百花(20)が、最後のコンサートに出演した。ツアー初日で、いつもの水色に染めたベリーショートカットで登場。人気のホスト風キャラ皇輝音翔(すめらぎ・きねと)にふんし、羽根の付いた真っ白な衣装を着てセンター曲「プライオリティー」を歌った。

 グループの女性人気の高さから、この日は客席に女性専用エリアが設けられた。会場の約3分の1を埋めたエリアに木下が登場すると、女性ファンは大歓声でうちわやペンライトを振っていた。

 NMB48の1期生で、同期の山本彩(24)とも最後の共演が実現した。山本が「大きいステージで一緒に歌えるのは最後なので、2人で相談して決めました。ギターを弾きながら2人で歌わせてもらいたいと思います」と紹介した楽曲は、やはり同期の卒業生渡辺美優紀の代表曲「わるきー」を替え歌にした「ももきー」。木下は、ピンクのミニワンピースに角の付いたヘアバンドという小悪魔ルックながら、山本と豪快にヘッドバンギングをする異色の演出で沸かせた。

 同性同士の禁断の愛などをテーマに、自ら監督を務めた寸劇「百合劇場」は、独特の世界観でメンバー、ファンから人気を博した。今年1月の成人式では、振り袖で着飾る他のメンバーをよそに、国鉄職員の制服姿で現れるなど、奇抜な感性で知られた。そんな個性派の最後の大舞台に、メンバーは寄せ書きを用意。アンコールで場内画面に映し出されると、木下は「文字がいっぱいある~!」と驚き、大粒の涙を流した。

 メンバーの顔を見渡しながら、木下は「いい子に育ったなぁ…」としみじみと語った。「泣いて終わりたくない。最後にぶちかましたい」と、初期の名曲「青春のラップタイム」をメンバー全員で歌ったが、ファンから大声援を受け、仲間たちからも次々と抱きつかれ、涙が乾く暇はなかった。

 最後の最後まで、負けず嫌いの血が騒いだ。「皆さんの笑顔がすてきすぎて、涙が止まらなくて悔しいですよ。もう1度、涙を見せずにお別れするチャンスをくれませんか?」と話すと、「NMB48」を曲振りし、元気よく歌った。最後は山本と見つめ合い、不意打ちで口にキス。「みんな愛してる! 幸せになろうな~!」とファンに感謝のメッセージを残し、ステージを後にした。