AKB48グループ総監督の横山由依(25)が17日、東京ドームシティホールで自身初の単独コンサートを開催した。

 歌手になることを夢見てAKB48に入った横山にとって、まさに夢の舞台だった。オープニングに選んだのは、自身が初めて劇場公演でもらったオリジナル曲「月と水鏡」。同曲を作曲した石井健太郎氏のピアノ伴奏に乗せて静かに歌い、「『(出ばやしの)overture』で盛り上がったのに、しっとりとね」と笑わせた。

 コンサートのテーマは、「横山由依のヒストリー」だった。アイドルになる前は、オーディションに何度も落ちた苦労人でもある。09年にAKB48の9期生オーディションに合格し、ようやくアイドルへの道を歩み出した。「昔のことを知らない人もいるから、私のヒストリーを知って欲しい」。そんな思いから、今までのアイドル人生を振り返るような楽曲を並べた。2期生オーディションで不合格になったSKE48の楽曲「クロス」、AKB48の研究生公演で初めてソロパートを任された「長い光」、初めてAKB48の選抜入りをした「Everyday、カチューシャ」を、思いを込めながら歌った。

 夢のコラボも実現した。「PIECES OF A DREAM」で、CHEMISTRYの堂珍嘉邦(39)、川畑要(38)が登場。2人と交互に目を合わせながら、うれしそうに歌った。家族と行った人生初めてのコンサートが2人の公演で、歌手になろうと決意したきっかけでもあった。「『この方たちはなんて歌がうまいんだろう』と思いました。ステージに立ちたいと思ったのは、そこでした。2人のおかげで今の私がいるんです」と感謝を口にすると、川畑は「僕たちにとってもうれしいことです」と笑顔で答えていた。2人が去った後も「CHEMISTRYのファンの中で、一番幸せな瞬間を過ごさせてもらいました」と興奮冷めやらぬ様子だった。

 ゲスト出演した谷口めぐ(19)川本紗矢(19)田口愛佳(14)とは、自分が所属する4人組ユニット「Not yet」の楽曲を披露し、激しい運動量に大量の汗をかいた。かと思えば、アンコールでは母からの手紙を読まれ、感激の涙で声を詰まらせるなど、大忙しの日だった。「チャレンジし続けるのが私の人生」と言い切り、「まだまだAKBで頑張って、かなえたい夢もある。2018年を飛躍の年にしたい」と宣言。最後は「365日の紙飛行機」を、自分のピアノ、笛、ギター演奏の映像とともに披露し、挑戦するという言葉に偽りがないことを証明してみせた。