NMB48で次世代エースとして期待された主力メンバー、矢倉楓子(21)が10日、大阪・NMB48劇場で、チームB2公演を終えて活動終了し、この日をもって芸能界を引退した。

 11年5月の加入から7年。ピンクのドレスに身を包み、涙をこらえた鼻声で「本当に、本当に、幸せだったし、生きていてよかった!」。懸命に笑顔を作り、最後のステージを締めた。

 2期生として加入5カ月だった11年10月、2枚目シングル「オーマイガー!」で選抜に抜てき。AKB48も兼任し、矢倉は、初代チームMをけん引してきた。

 はかなげな正統派アイドル然としたルックス、バラエティーでは汚れもいとわない強さも持ち、白間美瑠(20)とともに「ふぅみる」と呼ばれ、絶対的エース山本彩(24)に次ぐポジションを争い、人気メンバーとしてグループを活性化させてきた。

 そんな矢倉も加入当初は、苦悩だらけだった。AKB48グループきってのダンサー、山本彩、渡辺美優紀(OG)が2トップをはっていたNMB48にあって、ダンスを苦手としていた矢倉は、当時を「ぼうぜんとした」と振り返り、レッスン場でもつねに後ろに隠れていた。

 熱心なファンに励まされ、練習を重ね、前列へ上がってきた矢倉は、この日も満席客席に「後ろにいた私を見つけてくださって、本当にありがとうございます」と頭を下げて、感謝。芸能界を退き、新たな道へ進むが「みんながいてくれたら、私はこの先、何も怖くない」と言い、笑顔で手を振ってみせた。

 そんな矢倉の卒業セレモニーは、同期2期加入のライバルだった城恵理子(19)が仕切った。城は、初代チームMのセンターだったが、いったん卒業した後、異例の復帰。城の卒業後、Mセンターに定着したのが矢倉だった。

 2期生で歌った最後の楽曲「桜の花びらたち」には、城も参加した。

 その同期2期生から、チームB2からの餞別(せんべつ)プレゼントは、ともに矢倉が“主食”とする「アイスクリーム券」。B2を代表して副キャプテンの沖田彩華(22)、同期代表で三田麻央(22)が偶然にも同じ贈り物を渡し、矢倉は「え~っ! やった~っ!」と大喜びだった。