HKT48山田麻莉奈(23)が19日、福岡市の西鉄ホールで卒業公演に出演した。所属するチームHの「シアターの女神」公演で、約5年半のアイドル生活にピリオドを打った。

 最後のステージとあって、リハーサルから「緊張していた」という山田は、ユニット曲コーナーでバラード曲「夜風の仕業」で冒頭から歌詞を忘れるハプニング。ファンが合唱で歌詞を教える、心温まるサポートで最後まで歌いきったが、同期の上野遥(18)は「まさか(歌詞の)1行目で忘れるとは…」と苦笑い。

 山田はリハで1番を繰り返し歌ってしまうミスをしていたといい、「一生懸命、2番を練習してたら、今度は(本番で)1番が…」と頭をかいた。

 メンバーも山田との思い出を語った。同期で同い年の坂口理子(23)は、自己紹介MCで「卒業発表前、(山田と)お酒を飲んでる時、『ねえ、一緒に卒業しよう』って言ってきたんです。そんなに早く言っちゃうと思ってなかったら、私は心の準備がまだできてなかった。私はキビキビ動いて、まりり(山田)はトロトロ動いて、正反対ですけど、年が近くて話しやすいし…」と話し、早くも涙腺が崩壊寸前。「涙はお見送りまで取っておきます」と必死にこらえていた。熊沢世莉奈(20)は「ホテルで同室のとき、身だしなみがすごい」、田中菜津美(17)も「6年間、すっぴんを見たことがない」と驚きのエピソードを明かした。

 アニメが大好きな山田は卒業後、声優を目指す。アンコールでは、山田のこれまでの活動をまとめたVTRで、オーディションで「たくさんの人に笑顔と元気を与えられるアイドルに成長していきたい。歌って踊れる声優アイドルになりたい」と夢を語る姿が映し出された。キャプテン松岡菜摘(20)は「最初から夢が変わらず卒業していくんだなって思った」としみじみ語ると、山田はうれしそうにほほえんだ。

 卒業にちなみ、最後はチームメートと肩を寄せ合い、「草原の奇跡」を披露した。序盤の宣言通り? にボロ泣きする坂口の涙を、山田はやさしく手でぬぐっていた。曲中に同期の渕上舞(21)冨吉明日香(20)岩花詩乃(18)が花束を持って駆けつけるサプライズもあったが、山田はしばらく気づかない天然ぶりを発揮した。

 花束を手に、最後のあいさつに臨んだ山田は、「『バイバイ』じゃなくて、『またね』だからね。また会えるように頑張りますので、待っててね」と、ファンとの再会を誓ってステージを降りた。