握手会を再開したAKB48グループのNMB48は6日、インテックス大阪(大阪市住之江区)で、9枚目シングル「高嶺の林檎」全国握手会を開いた。

 NMB48メンバーにとっては、49日ぶりの再開。警備は運営スタッフも含め、これまでの7倍に強化された。

 また、前日のAKB48会場では警備上の問題から物販は見送られたが、NMB48の会場は構造上、建物外での物販が可能で「完全に(握手会と)別の場所で、十分な安全確保ができた」として、従来通りに物販が行われた。しかし、警備上の問題から、ミニライブは中止された。

 この日は山本彩(20)渡辺美優紀(20)ら同曲選抜メンバー14人による握手会で、14人は前日のAKB48グループ個別握手会にも参加していた。

 前日のAKB48握手会と同じく、メンバーとファンの間に1メートル強の柵を設置。入場時の手荷物と金属探知機による身体検査も行われ、検査ゲートは10レーン用意され、うち1レーンが女性専用となった。

 事務局は「下着の金具なども(探知機に)反応するため」とし、女性レーンには女性警備スタッフが待機。ボディーチェック後は、手荷物はすべて預けたうえで、ファンはメンバーとの握手に臨んだ。

 これまでメンバーは、カーテンなどで仕切られたブースに入り、体の横側から入場するファンと握手するシステムだったが、この日は、客の行列から見て真正面に、テーブルと柵越しにメンバーが立つ形。メンバーのすぐ後ろには制服警備員が配置され、メンバーが身動きをとりやすいよう、パーテーションなどでの区切りは背後にはなかった。

 同グループの握手会は複数種あり、前日のAKB48の握手会は、事前に握手をしたいメンバーを選び、身分証明書を示して握手券付きCDを購入するもので、握手会参加時も、身分証を提示して参加する。

 しかし、この日の全国握手会は、CDに封入された握手券を持参すれば誰でも参加できるもので、従来は「手のひらチェック」のみで参加できた。5月25日のメンバー襲撃事件のときと同じスタイルで、AKB48ではまだ再開決定にはいたっていない。

 厳重な警戒の中で行われた握手会。ただ、NMB48では5月18日以来で、事件後、AKB48分も含め計5回の握手会が延期されていただけに、久々の“再会”に、会場はメンバー、ファンの笑い声に包まれた。最も端のレーンで対応していた山本は、満面笑みで次々とファンと握手しながら、会話を交わした。

 渡辺は、つかの間の昼休憩中、午後0時すぎに、交流サイト「Google+(通称・ぐぐたす)」を更新。「握手会の休憩中だよー。NMBの握手会でご飯が豪華です!!!感動!!!」とつづり、ランチの写真をつけてアップ。午後7時14分には「来てくださったみなさん、ありがとうございました」とつづり、無事終了を告げた。

 岐阜県から同僚と来たという男性会社員(26)は、加藤夕夏のファンといい「(正面にメンバーがおり)最初は、郵便の窓口みたいと思って、え?

 と思ったけど、僕自身は気にならなかった」。また、大阪府内の男性会社員(38)は「もともと、手のひらチェックだけで大丈夫なのかな?

 と思っていた」と話した。

 5回の延期については「スタッフも、対策を考えるのに時間が必要だったろうから、仕方ないと思う」(大阪市の自営業男性=42)との声もあった。

 一方で、障害者手帳を持つファンの中には、少し戸惑った人もいた様子。大阪市内の介護職の女性(40)は、山田菜々、高野祐衣を応援しているといい「これまでは(入場の)列に並ぶことはなかったが、今回は列に並んで、ボディーチェックも受けた。もちろん、メンバーの安全第一なので、当然と思っている」とした上で、体を向ける方向などを指示する、検査の際のアナウンスが聞き取れず「戸惑っている方もいた」と話した。

 また、この日の握手会では、金属探知機などで厳重に警備が行われたため、複数回、入場を制限して進行された。ファンの間では、当日の一番後にメンバーと触れ合うことを「鍵閉め」と呼び、握手会も終盤になると、これをねらって“神経戦”が展開される。ただし、この日は会場スペースも十分ではなく、警備上の問題から、以前にも増して、円滑な進行を呼びかけるアナウンスが繰り返された。