優子が、故郷に錦を飾った。第4回AKB48選抜総選挙で、2年ぶり2度目の1位になった大島優子(23)が8日、栃木県総合文化センターで行われた全国ツアー「野中美郷、動く。~47都道府県で会いましょう~」に出演。6日の開票イベント後、初の公演が地元での初コンサートとなり、ステージで喜びを報告した。父からは思わぬプレゼントも届けられ、感激の凱旋(がいせん)公演となった。

 会場を埋めた約1600人の熱気は、開演前から最高潮だった。公演の注意事項の説明が始まり、声の主が優子と気付くや、ファンはアナウンスをかき消すほどの大歓声を上げた。幕が上がり、栃木が生んだスーパーヒロインが登場。その姿は、神々しいほどの輝きを放っていた。

 熱気の冷めないスタンドに、優子はとっておきの戦利品を披露した。「取ったどぉ~!」。総選挙1位のトロフィーを頭上にかざし、子供のようにピョンピョン跳びはねた。「地元でやるっていうことで、取ってきたよって報告したくてお見せしました」。アンコールでは、初のソロ曲「泣きながら微笑んで」に続き、2年前の第2回選抜総選挙を制してセンターで歌った「ヘビーローテーション」を披露。潤んだ瞳で「本当に泣きながらほほえんでしまいました」と笑った。

 AKB48加入から7年目。これが栃木県での初公演だった。グループとして1度も公演を行ったことがなく、優子も「東京から微妙に近いからやらないのかな…」と気をもんでいた。それが、1位に返り咲いた総選挙の2日後という最高のタイミングで実現した。「うれしいのは、総選挙の後、一番最初にここに来られたことです」と話した。一方で、「順位が下がったら、今日このステージに立てない」と、自分を追い込んで迎えた舞台だったことを打ち明けた。

 前日は実家で家族水入らずの時間を過ごした。「家族は『あれ食べる?

 これ食べる?

 寝る?

 お風呂に入る?』って、お姫さま状態でした(笑い)」。客席には家族や中学時代の恩師、友人ら約20人を招待。うれしい贈り物もあった。父が楽屋に「優子凱旋

 燃えろ!!

 チームK」と書かれた横断幕を贈ってくれた。郷土愛に包まれて、初の凱旋公演は幕を閉じた。「栃木県出身といえば大島優子、と誇らしく思ってもらえるようになりたい」。故郷に錦を飾った優子の笑顔は、いつも以上にまぶしかった。【森本隆】