AKB48高橋みなみ(21)のソロデビューが25日、発表された。AKB48はこの日、前日24日に続き、東京ドーム公演を行った。公演終盤、前田敦子(21)が紹介する形で、ユニバーサルミュージックの最高責任者が「あなたの歌を世界中に届けましょう」と呼びかけるビデオメッセージが上映された。大歓声に沸く中、高橋は念願のソロデビュー決定に、ステージ上で号泣した。グループからのメジャーソロデビューは8人目。CDの発売時期などは未定だ。

 グループのまとめ役に徹してきた高橋が、自分自身の夢に向かった1歩を踏み出す。27日に卒業する親友前田とのデュエット曲「思い出のほとんど」を披露した直後だった。別れを惜しんで涙する高橋を優しく抱き寄せた前田が切り出した。「これから先の時間は、自分のためにいっぱい使ってね。たかみなに秋元先生からプレゼントのビデオがあります」。

 涙顔の高橋が驚いて周囲を見回した。大型スクリーン上に映ったユニバーサルミュージックのマックス・ホール最高責任者が語りかけてきた。「ここに契約書があります。私のサインはしてあります。あとはあなたのサインだけ。我々とともに、あなたの歌を世界中に届けましょう」。驚きすぎて腰くだけの高橋は、マイクを握っても言葉にならない。「AKBに入ってから、歌手になることが夢でした…。たくさんの夢を見させてもらって、今度は自分の夢をかなえることができました」。前田と2人そろって、スタンドに頭を下げた。

 多くのメンバーがそれぞれの夢を追い掛けている。中でも、高橋は歌手を目指す気持ちが強い1人で、憧れは中森明菜。ところがグループでは、持ち前のリーダーシップが全面に出てしまい、自分を犠牲にした献身的な役回りが多かった。目標のメジャーソロデビューは板野友美(21)や前田らに先を越された。前田は涙が止まらない高橋に向かって「みんな、たかみなには夢を一番に考えてほしいと思ってるんだよ」と、メンバーの思いを代弁した。

 東京ドーム公演の夢をかなえたAKB48。その最大の功労者と言ってもいい高橋に最高のプレゼントが用意されていた。前日24日には48グループの「総監督」就任が決まった。今後もまとめ役としての役割が求められているが、夢を追いかける環境も整った。「努力は必ず報われる。これからの人生をもって証明します」。選抜総選挙のスピーチで2年連続使った「名言」を、東京ドームの広い、広い空間に響かせた。【森本隆】

 ◆高橋(たかはし)みなみ

 1991年(平3)4月8日、東京都生まれ。愛称「たかみな」。05年1期生として加入。08年小嶋陽菜、峯岸みなみと「ノースリーブス」結成。09年チームAのキャプテンになったが、今年8月24日にキャプテンから外れ、グループ総監督に就任。血液型AB。