毎年恒例のAKB48グループ合同成人式が13日、東京・神田明神で行われ、過去最多26人の新成人メンバーが晴れ着姿を披露した。AKB48の渡辺麻友(19)島崎遥香(19)やNMB48の山本彩(20)渡辺美優紀(20)らエース級メンバーが集結。大島優子(25)の卒業も決まり、次世代エース争いが本格化する中、この日もそれぞれ個性的な着物で強烈アピールするなど火花を散らしていた。

 取材陣から大島の卒業について聞かれた瞬間、26人のセンターに立った渡辺麻の表情が変わった。一呼吸おいて話し始めた。「絶対的エースの卒業は、AKB48にとって大きな出来事です。ですが勢い衰えることなく、さらなる高みを目指したい」。そして「私たちが若手メンバーを引っ張っていきたいです」と宣言した。これに応じて山本、渡辺美がうなずく。島崎もうれしそうに笑った。

 新成人を迎えた「93年組」は次世代エース候補がそろう「黄金世代」だ。卒業メンバーを除けば、昨年の総選挙上位16人の選抜メンバーの中で最多4人を占める。前田敦子(22)卒業後にエース候補として名前の挙がった渡辺麻(3位)を筆頭に、島崎(12位)やNMB48の山本(14位)渡辺美(15位)らがひしめく。グループ全体をリードしながら、それぞれが、ポスト前田、ポスト大島を狙う位置にいることも確かだ。

 この日披露した晴れ着姿にもエース争いの一端が垣間見えた。渡辺麻は桜やバラで彩られた超王道アイドル系のピンク。島崎は「ちょっときゃりー(ぱみゅぱみゅ)さんを意識した」という髪形で紅白を基調としたカラフルな着物。山本は「信長の妻、濃姫のイメージ」と赤と黒の振り袖で決めた。それぞれが思い思いの着物でアピールした。

 総選挙上位メンバーだけではない。それぞれが20歳の抱負を語る中、真っ赤な振り袖の藤江れいな(19)は「成人式では毎年センターの子が赤を着ていたんですけど、あえて私も選びました。現状を覆していきたい」。愛称が「フレッシュレモン」の市川美織(19)も「20歳になったら、フレッシュレモンサワーを飲んで『共食い』です!」と珍発言で興味を引かせた。関係者は「頼もしいですね。互いに意識し合い、切磋琢磨(せっさたくま)して、グループをガッチリ支えていってほしい」。絶対的エースの卒業を機に黄金世代がさらなる飛躍を目指す。【横山慧】