<大島優子卒業コンサート>◇8日◇味の素スタジアム

 AKB48大島優子(25)卒業コンサート「6月8日の降水確率56%(5月16日現在)、てるてる坊主は本当に効果があるのか?」が8日、東京・味の素スタジアムで開催され、今日9日は、秋葉原のAKB48劇場で最後の卒業式を行う。

 1つの時代の終わりは、新時代の始まりだ。「ポスト優子」をめぐる新しい世代の争いが、大島を見送る舞台で繰り広げられた。

 大島にゆかりのユニット曲を歌うコーナーで、大島の両脇を固める2人が火花を散らしていた。AKB48田野優花(17)武藤十夢(19)の12期生コンビだ。「僕とジュリエットとジェットコースター」では、大島を引き立てながら、キレのあるダンスで存在をアピールした。

 ともに大島のプロ魂「優魂」の継承を誓っている。武藤は昨年、大島がスタッフを説得し、通常16人しか行けない全国ツアーに全員が行けるようになった逸話を披露した。「知らない間にやってくれていて、さすが優子さんだなと思った」。田野はアンコールで、目に涙をためながら、大島と最後の握手をした。

 「ポスト優子」は、さらに下の世代にもいる。向井地美音(16)は、大島が「ヘビーローテーション」のセンターを直々に譲り、話題になった15期生。この日はお団子ヘアの頭を元気に振りながら、フライングで豪快に宙を舞う大島を「ヘビロテ」で送った。研究生時代に一緒に出た公演で、大島から直前に長ぜりふをむちゃぶりされたことがあるという。「優子さんのおかげで、3回りぐらい成長できました」と感謝した。

 アイドル大島の背中を見ることは、もうできない。幻影を目に焼き付け、新世代が未来のAKB48をつくっていく。グループ総監督の高橋みなみ(23)は「優子の残した48魂をこの仲間で広げていきたい」と、ステージに立ち続ける仲間に呼び掛けた。【森本隆】<大島優子の後継者候補>

 ◆「直々指名」後継者

 AKB48向井地美音(16)は、4月の「リクエストアワー」公演で、大島が「ヘビーローテーション」のセンター後継者として直々に指名した。大島と同じ子役出身で、大島も「発見してほしかった逸材」と明かしている。

 ◆「魂」後継者

 武藤十夢(19)田野優花(17)は、反骨心あふれる大島にあこがれ、大島の魂「優魂(ゆうこん)」継承を誓う。武藤は7日の総選挙でも「優子さん、ありがとうございました」と、大島に感謝のスピーチ。田野も「(後継者は)私だと思ってます」と断言する。

 ◆「奇想天外」後継者

 NMB48木下百花(17)は、予定調和をぶち壊す豪快さが魅力だ。奔放なトークで自分の世界へ引き込み、メンバーにかかと落としを食らわせたりと、大島に劣らない奇想天外ぶりだ。

 ◆「表現力」後継者

 HKT48宮脇咲良(16)は、大島のように世界観を正確に出せる表現力を持つ。かつてミュージカル「ライオンキング」に出演するなど、大島と同じく子役時代を経験。