<AKB48大島優子卒業公演>◇9日◇東京・秋葉原AKB48劇場

 AKB48を卒業した大島優子(25)は、最後の最後まで「変幻自在のエンターテイナー」だった。特別アンコールで行われたメンバーからのお別れあいさつでは、高橋みなみ(23)から「親友になろう」というラブコールをバッサリ拒否。しんみりムードになりがちなセレモニーを笑いに一変させ、笑顔でAKB48劇場を去った。

 別れの瞬間はいつだって寂しいもの。それを爆笑に変えてしまう大島は、やっぱり天性の役者だった。

 この日最大の爆笑が起きたのは、たかみなこと高橋とのやりとりだった。満を持して、最後のあいさつに登場したたかみなが、瞳を潤ませながら、前田敦子(22)卒業当時のことを語り始めた。

 たかみな

 あのころから優子は私のことを「戦友です」と言ってくれるようになった。卒業する優子に、最後に1つだけお願いがあります。卒業したら、戦友じゃなくて親友になってください。

 一瞬の静寂。感動の瞬間。なのに、はなをすすりながら、大島は答えた。

 大島

 …いやですぅ。

 こんなムードのぶち壊し方、絶対に大島にしかできない。たかみなから「卒業したら違うフィールドになるから、戦友ではいられない。親友になりたいな」と再度ラブコール。それでも、首を縦に振らなかった。指原莉乃も「2度断られるって…」と笑っていた。

 強い主張には、大島なりの優しさがあった。「AKBを応援し続けるし、AKB出身者としてもやっていくことに変わりない。AKBのことは誰より分かるはずだから、外からAKBを支えているから、これからも『戦友』がいい」。たかみなが「親友になろうって言うたや~ん」と食い下がる。大島が反撃。「いやだって言ったじゃん!」。

 大好きな小嶋陽菜が涙で歩み寄ると、スキを狙いキスを迫った。拒否されると「最後まで拒否かぁ~」と苦笑い。瞳には涙が浮かんだが、笑顔だった。最後まで、大島にはスマイルが似合っていた。【森本隆】