AKB48グループ総勢245人が参加した「夏祭り」が8日、千葉・幕張メッセで行われた。AKB48のシングル「ラブラドール・レトリバー」全国握手会と同時開催した。5月の握手会襲撃事件以降、厳戒警備で握手会を実施しつつ、新たな触れ合いの形も模索してきた。新しい試みにメンバーも手応えを得ており、定番イベントになる可能性も出てきた。

 盆踊りのやぐらに、ヨーヨー釣りや射的ゲーム、屋台が会場内に立ち並んだ。夏祭り一色の会場のあちこちに、メンバーがゲリラ的に出没した。一緒にゲームをしたり、糸電話で会話したり、サインにも応じる。柏木由紀(23)渡辺麻友(20)らは、生バンド演奏のソロライブを行いスペシャル感を演出。ライブ後もすぐに握手会に加わり、所狭しと会場を駆け回り、ファンと交流する姿が印象的だった。

 グループ結成当初、ファンと一緒に遊園地で遊ぶイベントなど、直接交流する機会があった。国民的な人気を得てからは、握手会が中心になった。襲撃事件後、握手会は、金属探知機の導入や、握手エリアに柵を設置するなど、ファンとの距離を感じさせる制約がいくつも設けられた。この日行われた握手会の各ブースには警備員やスタッフが配置された。とはいえ「会いに行けるアイドル」がAKB48グループのこだわり。運営スタッフとメンバーは新たな交流方法を模索。原点回帰も意識した「夏祭り」プランが浮上した。

 CDを購入して握手券を持つファンなら誰でも参加可能だ。結成当初からの男性ファンは「昔も似たイベントはあったが、ここまでオープンなイベントは初めてかも」と驚いていた。主に子供たちを対象に、ステージ衣装などを着用したり、メンバーと同じヘアメークを体験できるブースも設けられて、幅広い年齢層が楽しめるイベントだった。柏木は「アイドルはファンの皆さんがいて成り立つんです。これから先も皆さんに楽しんでもらえることを、ずっと考えていきたい」とメンバーの思いを代弁した。渡辺も「たくさんの笑顔が見られるのが幸せです」と満足感いっぱいだった。

 来年以降の開催は未定だが、ファンもメンバーも大盛り上がりだった。握手会とともにグループの活動を象徴する定番イベントになる可能性も出てきた。【大友陽平】