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映画「バベル」日本語会話にも字幕
日本の聴覚障害者も出演し、米アカデミー賞で作品賞など6部門にノミネートされた映画「バベル」をめぐり、撮影にかかわった東京の手話通訳士らが、4月の国内公開時に、ろう者向けに日本語のシーンにも字幕を入れるよう要請、配給元は17日までに、前向きな姿勢を示した。
「バベル」は日本やモロッコ、メキシコを舞台に、意思が通じない現代人の姿を旧約聖書の寓話(ぐうわ)になぞらえた作品。耳が聞こえない日本人の高校生を演じた菊地凜子が、アカデミー賞助演女優賞候補になっている。
日本での撮影の際は、東京の手話団体「きいろぐみ」代表で手話通訳士の南瑠霞さん(45)がコーディネーターを務め、耳が不自由な若者が多数出演した。
南さんは1月下旬の試写で、英語やスペイン語、手話の場面には日本語の字幕が出るのに、日本語の会話シーンにはないことに気付いた。
「アカデミー賞候補で注目され、ろう者が今最も見たい映画なのに」。南さんらは今月5日、配給元のギャガ・コミュニケーションズ(東京)に(1)日本語の場面にも字幕を付ける(2)映画館で、せりふを書いた紙を聴覚障害者に配る-などを要請。署名運動も始めた。
エキストラとして撮影に参加した、耳が不自由なタレント岡田絵里香(23)も「試写で長い会話の内容が分からず、入り込んでいた映画の世界から現実に戻されてしまった」と言い、署名運動に協力している。
ギャガ社は「要請を真摯(しんし)に受け止め、字幕を入れることを前向きに検討している」と話している。
[2007年2月17日15時24分]
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