右翼団体の抗議活動などで上映を中止する映画館が相次ぎ、一時は公開が危ぶまれた日中合作のドキュメンタリー映画「靖国

 YASUKUNI」(李纓=リイン=監督)の初の一般上映が3日、東京・渋谷シネ・アミューズで始まった。

 同館の上映は9日までだが、10日以降に大阪、広島、京都など約10館で順次公開されることが決まっている。

 午前11時すぎ、配給会社アルゴ・ピクチャーズの岡田裕社長が「無事に初回の上映が始まりました。ご支援に感謝します」とあいさつした。岡田社長によると、今後都内各地でも上映が続く見通しで「今のところ妨害はなく、順調に続けられると思う」と話した。

 ただ、入り口には警察車両や警官が配備されるものものしい雰囲気。配給会社、映画館関係者合わせて20人以上が警備にあたった。午後2時半ですべての回が売り切れ、スタッフは「いろいろな報道があったが、結果的にたくさんの人に見てもらえれば」と話した。

 「靖国」は当初、4月12日に公開予定だったが、右翼団体が一部の映画館で街宣活動をするなどしたため、東京の4館と大阪の1館が上映を中止。

 文化庁所管の法人から出た助成金を問題視した自民党議員の要請をきっかけに、異例の国会議員向け試写会が開かれたり、別の自民党議員が「出演者の刀匠が映像削除を求めている」と指摘したりするなど、政治家と表現の自由をめぐる議論も巻き起こした。