アジアトップ俳優が共演した総製作費100億円のアクション大作「レッドクリフ」(ジョン・ウー監督、10月公開)が、カンヌ映画祭(5月14日開幕)でお披露目されることが11日、分かった。中国の英雄伝「三国志」のハイライトともいえる「赤壁の戦い」の完全映画化。トニー・レオン(45)金城武(34)らアジアスターがそろう豪華出演陣に、日本から中村獅童(35)が参加。6月の完成を待たずにアジア各国の公開は決まっているが、欧米を含む世界公開に向け、映画祭開催中のカンヌ市内で一大プロモーションを展開する。その目玉が、クライマックス場面の初公開だ。

 上映日は現地時間5月19日を予定。その段階で作品は編集中だが、スペクタクル場面満載のダイジェスト版を上映する。撮影、編集には大ヒットシリーズ「パイレーツ・オブ・カリビアン」を手掛けた特撮チームが参加しており、戦闘シーンは入念に編集を進めている。

 メガホンを取ったジョン・ウー監督(61)はトム・クルーズ(45)主演作「MI:2」も手掛け、ハリウッドを拠点にする巨匠。今回は大規模な撮影を繰り返したこともあり、製作費は当初予定の90億円をオーバー。同監督は不足分10億円を自ら出資したほど入れ込んでいる。

 完成前の映像を持って乗り込む今回の上映会は異色のプラン。各国トップスターや関係者が集まるカンヌで、いち早くその迫力をアピールしようという戦略だ。上映会当日は同監督をはじめ主要キャストが会見する。

 アジア映画の概念を覆そうと力を注いだ娯楽大作が、アクションの本場ハリウッドや、目の肥えた欧州映画関係者を驚かすことができるか。その反応が注目される。