俳優浅野忠信(34)がチンギスハンを演じ、今年の米アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた「モンゴル」が5日に公開される。公開を前に、浅野とロシアのセルゲイ・ボドロフ監督(59)がインタビューに応じた。ボドロフ監督はすでに、続編の大筋を書き上げていることを明かし、浅野にその場で出演を依頼した。国際色豊かな撮影現場を経験した浅野も、続編出演に前向きだ。
「モンゴル」は、テムジンと名乗っていた幼少時代から、大帝国を築く直前までのチンギスハンが描かれている。少数の部族が争いを続ける時代、捕らわれては逃げ、捕らわれては生き延びて戦う苦難の連続だ。
ボドロフ監督は以前から「御法度」「座頭市」「殺し屋1」などで浅野を見ていたが、「会った瞬間に私のチンギスハンを見つけた」と思ったという。監督には素晴らしい役者の条件がある。「カメラが愛する俳優がいるんだ。しゃべらなくても、画面を見つめているだけで十分に存在を伝えられるという俳優だよ」。それが浅野だった。
浅野もボドロフ監督の期待に応えた。ロシア、カザフスタン、モンゴル、ドイツの合作というだけに、スタッフも国際色豊かだ。撮影は05~06年にかけた4カ月間、さらに06年夏にも行われ、長期間に及んだ。自然環境も過酷だった。しかし、作品の中でテムジンが成長したのと同じく、浅野も成長した。日本人は現場に浅野1人という状況でも「どんどん物を言って、どう表現しやすいのかを見つけていきました。スタッフと飲んだり歌ったりしたこともあったし。本当にタフになったと思います。今後、同じようなことがあっても、驚かないと思います」と、自信を見せた。
アカデミー賞授賞式でも浅野とボドロフ監督は、2人でレッドカーペットを歩き、撮影の思い出話に浸った。結束が撮影から3年たっても強いことを表すように、ボドロフ監督には再び浅野を起用した続編の構想がある。「作品に続きがあると感じたのなら正しいです。もちろん、チンギスハンは浅野にやってほしい。今度は撮影が2年間になるなんてことはないから」とオファーした。すでに大まかなストーリーは書いているという。
浅野は「じっくり読ませてもらいます」と検討中だが、前向きなのは間違いない。タフになった浅野とチンギスハンが再びボドロフ監督の前に立つ日がありそうだ。【小林千穂】



