<05年4月13日付日刊スポーツ紙面、水野晴郎監督が骨折&入院生活半年を乗り越えて映画「シベ超5」公開、から>
映画評論家・水野晴郎氏(74)が腕、肩、せき椎など6カ所を骨折、全治8カ月の重傷を負いながら完成にこぎつけた映画「シベリア超特急5」が今月末に関西公開されることになり12日、大阪市内で会見した。撮影終了後の昨年4月から半年間入院、ベッドで編集作業をしたという作品は、年内に米ニューヨークとロサンゼルスで公開されることも決まり「MIKE
MIZUNO」(監督名)の執念はついに海を越える。
水野晴郎事務所の“番頭”で「シベリア超特急」シリーズに佐伯大尉役で出演している西田和明(47)が証言する。「アクション監督は別にいるからやらなくてもいいのに、山下奉文将軍(水野)、列車の屋根に昇るシーンを自分でやっちゃったんですよ。ドスンと落ちて、ゴキッと変な音がして、病院に行ったら腕、肩にせき椎の骨折ですよ。撮影中止どころか、てっきりこれが遺作になるかと思いました」。
これが撮影中日のこと。だが、水野氏の“ライフワーク”にかける執念は、痛みを上回った。自らのアクションシーンは没になったが、撮影は休まず、シリーズ初のアクション映画は無事クランクアップ。その直後に入院し、編集作業は病院のベッドでこなした。半年の入院で100キロの体重は60キロに激減したが、まさしく執念の映画に「いやあ、映画って本当にいいもんですね」。骨折のレントゲン写真をTシャツにプリントし「痛いよね、シベリア超特急」と書いて宣伝するという。
「シベ超5」は「義経の秘宝」の地図をモチーフに、モスクワからモンゴルへ走るシベリア超特急の7日間を描いたサスペンス・アクション。水野氏のほか、上方歌舞伎の片岡愛之助、片岡進之介が主演。冒頭、12分間のギネス級の長回しや、マレーネ・ディートリッヒら伝説の女優たちへのオマージュなど、映画ファンをうならせる趣向がいっぱい。公開は30日から大阪・天六ホクテンザ、京極弥生座で。
◆映画「シベリア超特急」
映画評論家の水野晴郎氏が原作、監督、主演など5役を務め1993年に第1作が公開された。映画通ならではの凝った仕掛け、ミステリー仕立てとどんでん返しがマニアに支持されて、三田佳子、宇津井健が共演した「-3」は全国で10万人を動員、カルトムービーとなった。「-4」と「-00・7」は一昨年、舞台で上演された。完結編になる「-6」は、山下将軍の絞首刑までを描くラブストーリー。京マチ子、若尾文子の2大女優を迎え、今秋にもカナダでクランクインする予定。




