人気落語家笑福亭鶴瓶(56)が映画に初主演することが26日、分かった。「母べえ」「クロサギ」などの話題作で、絶妙な存在感を見せつける芸達者を口説き落としたのは西川美和監督(33)。06年に「ゆれる」で国内の主な映画賞を総ナメにし、カンヌ国際映画祭(監督週間)に正式出品された実力者が、新作「ディア・ドクター」(来年公開)で過疎地医療をテーマに、人間の奥底に眠る「本物と偽物の境界線」に切り込む。鶴瓶は僻(へき)村の診療所で働く独身の中年医師を演じる。

 「世の中にはいろんな主役がいますが、どの主役にも負けない自信がある」。初主演に臆(おく)することなく、鶴瓶は来月末のクランクインを心待ちにしている。既に西川監督と何度も打ち合わせを重ね、役作りに余念がない。患者役の八千草薫との絡みを楽しみにしており「来年あたり、カンヌなんて行ってみたい」。

 西川監督は落語家として、何人ものキャラクターを演じ分ける鶴瓶の演技力にほれ込み、白羽の矢を立てたという。「偽装という言葉がはらむあいまいさを面白く描けないかなと思って考えたのが今回のお話。人間の持っている不可解さや明暗の両面もちゃんと表現できるのは、本物の芸人鶴瓶さんしかいない」と話した。