東映の09年度ラインアップ発表会が2日、都内で行われた。行定勲監督(40)の新作「今度は愛妻家」(来年公開予定)の発表とともに、次代を担う若手俳優の育成計画が公表された。

 大和田伸也(60)五大路子(56)夫妻の長男大和田悠太(27)、笑福亭鶴瓶(56)の長男駿河太郎(30)、笠智衆さん(享年88)の孫笠兼三(34)が“育成枠”として、今後の東映製作映画に優先出演する。

 東映の岡田裕介社長(59)によると、この計画は石橋蓮司(67)をアドバイザーに迎えて俳優を養成するもの。バイプレーヤーを育てることが目的で同社長は「小林稔侍や川谷拓三のような俳優がほしい。次につなげる土台作りを始めます」と話した。シネコンの普及によって、東映や東宝、松竹など映画会社の区別がつきにくくなった時代に対応し、会社の顔を作ろうという試みだ。

 3人は約200人が参加したオーディションで選ばれた。一般公募はせず、同社の関係先から募集。6月から8月にかけて東京・大泉の東映撮影所で岡田社長らが審査した。決め手になったのは演技力や人間性。岡田社長は「(元俳優だった)私より演技がうまい人を選んだ」とおどけながら「英才教育を施す学校だと思ってもらえれば。東映大学、略して東大とでも呼んでほしい。石橋校長の下で学ぶ3人には小さな役でも前に出て行く俳優になってほしい」と声を掛けた。

 3人が最初に出演する映画は行定監督の新作になる見込み。その後、東映が製作する映画に3人のいずれかが出演し、成長させる。大和田は「両親を尊敬していますが、まねしたくない部分もある。うまく手本にしながら、身近に思ってもらえる俳優になりたい」。笠は「俳優として一生を終えるころには、祖父のような存在でいられるように頑張りたい」と意気込んだ。