芥川賞作家吉田修一氏(41)の長編小説「悪人」が来年秋公開で映画化されることが決まり、妻夫木聡(28)が主演することが4日、分かった。善人イメージが強く、さわやかな笑顔や優しい人柄で人気になった妻夫木だが、今作品では孤独な殺人者を演じる。劇中では自身初の金髪にも挑戦。98年の俳優デビュー以来、ほとんど経験がない悪役として、リハーサルを重ねている。

 妻夫木は友人に勧められ、07年4月に単行本化された「悪人」を読んだという。殺人容疑をかけられる土木作業員・清水祐一の複雑な人物像にひかれ、編集者に「祐一を演じてみたい」という意向を伝えた。「祐一は言葉では説明できないような感情を持っている人。一筋縄ではいかないと思いますが、悩んで悩み抜いた中で、祐一ってものを見つけ出していきたい」。

 監督は「フラガール」で数々の映画賞に輝いた李相日(り・さんいる)氏(35)。妻夫木主演の「69

 sixty

 nine」で監督して以来の顔合わせ。「妻夫木君の印象は、祐一とは逆。祐一役に決まった時は『その手があったか』と新鮮だった。イメージとは違う彼を使って、祐一という男の生きざまを描きたい」。10日にクランクインの予定で、祐一と恋に落ち逃避行する馬込光代を深津絵里(36)が演じる。