映画監督の北野武(ビートたけし=62)が21日、東京・お茶の水にある母校・明大で、約1200人を前に「特別講義」を行い、映画手法や失敗談などを毒舌を交え語った。「監督と役者をやるのはつらいので、あと何本かになるかも。森繁さんみたいに、いるだけでいい存在になりたい」とも話した。

 この日開幕した映画祭「東京フィルメックス」のイベントに、黒のスーツ姿で、いつものように頭をかきながら登場した。

 今年は初監督作「その男、凶暴につき」が公開されて20年のメモリアル。これまで14作を撮り、多くの賞を受賞してきたが「毎回チャレンジして毎回失敗してる。やけくそになって『アキレスと亀』を撮ったら、ダメ押しちゃった」。さらに「テレビは妥協しない。見てる人はただだから、何やってもいいって思う。映画はお金払ってくれてるから、独り善がりなものを押しつけられない」と話した。プロデューサーで、所属事務所社長の森昌行氏も「映画は本音に近いものをやっていると思っていた」と驚いていた。

 映画の職人かたぎのスタッフがなかなか指示を聞いてくれなかったことには「官僚に説得された大臣みたいだった。出来上がってみて、やっぱり違うじゃねーか!」などとツッコミ、1時間の特別講義に観客は大喜びだった。