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黒木和雄監督が死去、75歳脳梗塞

 青春映画の名作「祭りの準備」や戦争を題材にした「父と暮せば」などで知られる映画監督の黒木和雄(くろき・かずお)さんが12日午後3時43分、脳梗塞(こうそく)のため東京都板橋区の病院で死去した。75歳。

 7日には、都内の松竹本社で新作「紙屋悦子の青春」(8月12日公開)の試写に立ち合い、元気な姿を見せていた。同席した関係者も「体調が悪い様子は全くなかった」という。体調不良を訴えたのは数日後。妻の暢子さんに付き添われ、病院で検査を受けた。軽い脳梗塞と診断され、そのまま入院。12日になって容体が急変したという。近日中に新作予告編のチェックの予定も入っていた。

 ドキュメンタリー出身らしく、人間の内面に迫る描写力が高い評価を受けた。70年代に発表した「竜馬暗殺」「祭りの準備」は青春群像劇の傑作といわれた。旧制中学時代に同級生の多くを空襲で失った。80年代に入って「戦争を体験した最後の世代として記憶に残す」として、戦争を題材にした作品を積極的に製作。長崎の原爆投下前日の市民の姿を描いた「TOMORROW/明日」、終戦前後を描いた「美しい夏キリシマ」、原爆投下後の広島を描いた「父と暮せば」はいずれも高い評価を受け「戦争レクイエム3部作」と呼ばれた。思想性と映像美を兼ね備えた作品は、映画賞も数多く受賞した。

 遺作「紙屋悦子の青春」も終戦間近の鹿児島を舞台に、死に直面した若者がテーマ。1月下旬に完成し、公開を待つばかりだった。次回作も戦争や股旅(またたび)ものを検討していた。自宅は非公表。葬儀・告別式は未定。連絡先は東京都台東区駒形2の2の6、パル企画。

[2006年4月13日7時18分 紙面から]

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