このページの先頭



ここから共通メニュー

共通メニュー


ホーム > 芸能 > シネマ > ニュース



10年ぶり周防監督がメガホン

10年ぶりにメガホンを取る周防正行監督
10年ぶりにメガホンを取る周防正行監督

 映画各賞を総なめにした大ヒット映画「Shall we ダンス?」の周防正行監督(49)が、約10年ぶりに新作を撮る。映画「それでもボクはやってない(仮題)」で、痴漢事件を通して裁判制度を描く。コメディータッチのエンターテインメント作品に徹してきた周防監督が、初めて取り組む硬派作品で「僕が撮る社会派作品は僕も楽しみ」と話している。主演は加瀬亮(31)。東宝配給で07年公開。

 周防監督が新作のテーマにしたのは「裁判」。きっかけは3年前。電車内で起きた痴漢事件の判決の新聞記事を目にしたことからだった。「知っているつもりでいた裁判と日本の裁判は違った」と興味を持ち、取材を開始。「まじめに会社勤めをしていた人が犯罪者になってしまうような身近に感じられる事件を通して、裁判そのものを撮りたい」。取材を進めるうちにその思いが強くなり、足繁く裁判所に通ったほか、元検事、裁判官、支援者など、裁判にかかわる人々を3年かけて取材した。

 裁判の複雑な仕組みや専門用語のため、これまで2、3回しか書き直したことがなかった脚本も、10回書き直した。09年5月に裁判員制度が開始する。「今、撮らないとダメだな、という使命感を持った。裁判の現状も知ってほしいし、裁判員制度を考えてもらうきっかけになれば」と日に日に力がこもってきた。

 この10年間、ただ休んでいたわけではない。映画製作状況視察のためインドを旅したり、趣味の草野球を楽しみながらも野球に関する著作も発表。また、映画「東京日和」に出演するなど、様々な活動を続けてきた。企画もいくつかあり、取材を進めたが「最後に何かが足りなかった」と撮影までに至らなかった。

 新作にやっと着手したのは「Shall we-」がようやく一区切りしたこともある。リメーク版のキャスティングもなかなか決まらず、リチャード・ギア主演で公開したのは04年。ロケ地を訪問するなど、リメーク版に携わることも少なくなかった。「リメークの交渉に苦労したし、やっと『Shall we-』がようやく終わった、という気持ちはある」。

 スタッフは「Shall we-」とほぼ同じメンバーで、5月上旬にクランクイン。「テイストは違っても出発点は『シコふんじゃった。』『Shall we-』同じ。面白いこと、驚いたことを伝えていきたい」と静かに意欲を燃やしている。

[2006年4月19日6時45分 紙面から]

関連情報

最新ニュース

記事バックナンバー



このページの先頭へ