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西田敏行&伊東美咲が同一人物を演じる
作家浅田次郎氏(54)の人気小説「椿山課長の七日間」が映画化され、西田敏行(58)と伊東美咲(29)が主演することが11日、分かった。突然死した中年男が、美女の肉体を借り、未練を残した現世に3日間だけ舞い戻るファンタジー。外見が似ても似つかない西田と伊東が同一人物を演じる異色作品として、話題を集めそうだ。松竹配給で11月公開。
「椿山課長の七日間」は01年に朝日新聞夕刊に連載された。突然死した中年課長が、期限付きで現世に舞い戻る。正体を明かしてはいけないため、似ても似つかない姿を借りることに。太めでさえない中年男がよりによって絶世の美女の体を借りてしまったため、珍騒動が巻き起こる。
複雑な設定だけに、映画化にあたっては配役が第1の見どころといえるが、絶妙の組み合わせになった。西田敏行と伊東美咲。まさに顔つきも体形も共通点が見つからない。西田は「伊東さんの気持ちを考えると申し訳ないやら、自分としては情けないやらです」と苦笑する。
伊東は、外見は女性、中身は男性の難役。「言葉遣いやしぐさが難しい。ご一緒のシーンはないのですが、常に西田さんをイメージしながら演じています」。映画では、伊東が考える西田敏行像も楽しめそうだ。意外な共通点も見つかった。出身がともに福島県。西田は「微妙なアクセントや言葉遣いをさりげなく出していけば、同一人物として見てもらいやすい」と、伊東に演技に取り入れることを提案した。
製作にあたるビーワイルドの若杉正明プロデューサーは「最高の組み合わせ。伊東さんは、今までにない新しい部分を見せてくれるはず」。さらに「浅田さんの原作は、暗くなりがちな題材を笑いと涙で包むエンターテインメントに仕上げている。映画向きです」と自信をみせた。初監督作品「子ぎつねヘレン」が3月に公開された河野圭太氏(48)がメガホンを取る。
[2006年6月12日7時39分 紙面から]
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