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森田健作テーマ“武士道精神”映画完成

映画「Iam 日本人」のヒロインを務めた森本クリスティーナ(中)
映画「Iam 日本人」のヒロインを務めた森本クリスティーナ(中)

 ドラマ「おれは男だ!」から35年。俳優森田健作(56)が、今度は日本人のアイデンティティを問う映画「I am 日本人」(月野木隆監督、8月5日公開)を完成させた。テーマが武士道精神とやや堅苦しい作品かと思えば「押し付けがましいのは嫌い」といい、娯楽性との両立に苦心したという。

 「こんな日本の環境下で育つ子供や若者たちが、世界を舞台に議論し合い、お互いを尊重できる関係を築くことができるのか」。森田はそんな危機感、問題意識を募らせた結果、この映画をつくったという。スポンサーを探し歩いて5億円をかき集め、人脈を駆使して出演交渉を行い、完成にこぎつけた。

 「ビジネスだけを考えたら、この作品はつくれない。特に子供たちに見てもらいたい。娯楽性とメッセージ性の両立とバランスが難しかったが押し付けがましくない作品になったと思う」。

 きっかけは約8年前。文部政務次官だった森田は、99年施行の国旗国歌法の成立に奔走していた。正式名称は国旗及び国歌に関する法律。国旗は「日の丸」、国歌は「君が代」と制定したが、教育現場では混乱が続いている。

 「当時の文部省は、愛国心の理解を深めてもらうために文書で通達を出すと言う。でも、文書でみんなに伝わるわけがない。こういうテーマこそ映像が最適。映画をつくりましょうと言ったが、予算が取れなかった。私人としてできることを考え映画を決心した」。

 映画は森本クリスティーナ(21)演じる日系3世のヒロインの物語。祖父の祖国の日本に留学するが、祖父から聞かされた「武士道精神」と懸け離れた現代日本の姿に戸惑う。それでも、日本人より日本人らしく振る舞うヒロインの思いやりや敬意、誇りに、周囲の日本人も忘れていた何かを気付かされる。

 「米国の少年野球大会で、国旗掲揚のときに座っていたのは日本人だけだって言うんだ。大人が教えないから。控えめだといっても、海外では優柔不断と映る。国旗に敬意を表せない人は、他国にも敬意を表せない。政治家が言うとうさんくさい。だから映画だ」。

 当初は東京と千葉で公開だが、9月から5大都市で公開する。森田は「収支は度外視しているが、たくさんの人に見てもらいたい。20年ぶりに披露しているおれの剣道着姿も見てもらいたい」と熱く訴えた。

[2006年7月26日8時42分 紙面から]

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