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ベネチアでも日本人“ジャッジ”
- 日下部圭子さん(撮影・小林千穂)
【ベネチア(イタリア)5日=小林千穂】サッカーW杯では日本人審判の活躍が注目されたが、ベネチア映画祭にも裏方で活躍する日本人がいる。実験的な作品を集めた「オリゾンティ部門」で審査員を務めている、映画プロデューサーの日下部圭子さん(53)だ。宣伝、製作、配給など、映画に関するさまざまな仕事を手掛け、同映画祭には10回以上訪れているが、審査員の立場としては初めて。日下部さんは「光栄です。責任感は感じますし大変なんですが、ワクワクしながらやっています」と、楽しみながら審査している。
開催期間半ばの今は、1日に3本のペースで作品を見ている。1日4本のペースで見るヤマ場はこれからだ。報酬もなく、日本に置いてきた仕事も気になるが、やりがいや意義の方が大きいという。特に、メーンのコンペティション部門にはない、オリゾンティ部門の魅力について「この部門があるから埋もれてしまう作品を拾い上げることができる」と話す。
親交のある同映画祭ディレクターのマルコ・ミューラー氏から直接、携帯電話に依頼を受けた。今までは作品を送り出す立場として仕事をしてきた。「選ばれる側のドキドキを知っているので、選ぶ側のドキドキも見てみたい」という。
同部門には今年、日本から「こおろぎ」(青山真治監督)、「立喰師列伝」(押井守監督)の2作が出品されている。昨年は塚本晋也監督が審査員を務めた。
[2006年9月6日10時56分 紙面から]
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