このページの先頭



ここから共通メニュー

共通メニュー


ホーム > 芸能 > シネマ > ニュース



岩井俊二監督、国境超えた映画製作を

上映記念イベントに参加した左から熊沢尚人監督、市原隼人、岩井俊二監督
上映記念イベントに参加した左から熊沢尚人監督、市原隼人、岩井俊二監督

 【釜山17日=松田秀彦】岩井俊二監督(43)の初プロデュース映画「虹の女神 Rainbow Song」(熊沢尚人監督、28日公開)のワールドプレミア上映会が釜山映画祭で行われた。99年に「ラブレター」が韓国で大ヒットして以来、韓国映画界に最も影響を与えてきた日本人監督。「虹の女神」もプロデュース作品ながら、配給をめぐって争奪戦が展開されている。同監督は日刊スポーツの取材に応じ、国境を超えた映画製作に乗り出す夢も明かした。

 「虹の女神」の韓国公開をめぐっては、配給会社3社が争奪戦を展開している。11月下旬公開をめどに交渉中で、劇場数も100館規模になる。監督作ではなくプロデュース作品ながら岩井監督に対する注目度は相変わらず高い。釜山映画祭では話題性が高い作品が選ばれる「オープンシネマ部門」に出品され、最大規模の5000人収容の野外劇場で上映された。岩井監督は主演の市原隼人(19)熊沢尚人監督(39)と舞台あいさつに立ち、熱狂的声援を浴びた。

 韓国で日本人監督といえば、岩井監督。99年公開「ラブレター」は観客動員150万人を記録し、日本実写映画最大のヒット作となっている。以来、韓国の若手監督がこぞってその技法や表現方法を研究し、結果的に韓国映画発展に大きく貢献。今も熱い視線を送られている。

 初プロデュース作品に手ごたえを感じる岩井監督は、大きな夢の実現に向けて動き始めた。国境を超えた映画製作のリーダーシップをとることだ。「韓国を含むアジアの製作者とコラボレーションの可能性を探ることができる」という。接触を図ってくる関係者も多く「早ければ来年にだって実現するかも知れません」。特に「映画に対する情熱が日本よりも熱い」と感じる韓国とはパイプも太く、早期実現が期待される。

 04年「花とアリス」以降、監督作の発表はない。今はテレビ界の大物脚本家や新人を起用したプロデュース作の準備を進めている。「一過性ではなく10年構想でプロデューサーという立場に向き合いたい」。その延長線上に国境を超えた映画製作を見据えている。「1本撮ることができたら満足ということから、何かを大きく変えたいという気持ちになってきた」。独特の映像美学で映画界を刺激した男が、今後はプロデューサーとして革命を起こす。

[2006年10月18日8時23分 紙面から]

関連情報

最新ニュース

記事バックナンバー



このページの先頭へ