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香取悟空アクシデント続出「災難記」

 香取慎吾(29)が奮闘している。主演映画「西遊記」(来年7月公開、沢田鎌作監督)の撮影がこのほど中国北部の寧夏(ねいか)回族自治区でクランクインした。雄大な自然を存分に生かした撮影は順調だが、身の回りにはアクシデントが次々発生。飛行機に預けたスーツケースがつぶされ、ホテルの部屋はさびた水が流れてシャワーを断念。撮影現場に着くと暴れ馬が移動車に突進してくる手荒い歓迎を受けた。

 騎馬隊が大平原の向こうから砂煙を上げて迫ってくる。「に、に、逃げろ~っ!」。香取演じる孫悟空ら一行は丘陵を全力疾走で駆け下りる。カツラや重ね着、担いだ荷物や手にした武器が邪魔になる。騎馬隊の速度とタイミングが微妙に合わず4回目でようやくOKが出た。「この汗の感じが懐かしい」。ハードな撮影にもかかわらず香取は壮快な笑顔。「空気がしっくりくる。遠くの山々が中国な感じですね」。初日は日没まで走り回ったが余裕の表情。それもそのはず。撮影よりも過酷なできごとが香取悟空に次々と襲いかかっていたのだから…。

 悲劇は現地入りと同時に訪れた。撮影初日の朝、北京経由で寧夏回族自治区に入った。空港で荷物を受け取った香取が叫んだ。「何だ、こりゃ~っ!」。国内線機内に預けたポルシェデザインのジュラルミン製スーツケースがぺしゃんこにつぶれていた。中身は無事だったが変形部分から手を入れることができる。もう使うことはできない。旅行先のロスで購入した思い出のスーツケースで「参りましたよ、本当に…」。

 気を取り直して現場に直行した。騎馬隊疾走シーンを朝から撮影しているスタッフが待っている。気持ちが高ぶった。ベースキャンプに近づくと、スタッフがあちこちに逃げ惑う姿が。「何だ?」。次の瞬間、突進してくる馬がフロントガラス越しに見えた。「危ない~っ!」。暴れ馬は50センチほど横を走り抜けていった。早めに車を降りていたら事故になりかねない危機一髪の状況だった。

 撮影後、ホテルに着くと気分転換と思い、バスルームに入った。浴槽に湯をためようと蛇口をひねると、赤茶けた液体が…。裸のままぼう然と眺めた。持参した入浴剤を入れてみた。「見たことのない色になっちゃって…」。入浴は断念した。スタッフに聞き回るとさびた水が出るのは、香取の部屋だけだった。

 クランクイン前に「何があっても走り抜きます」とスタッフに言い切った。災難続きに意気消沈かと思いきや「こんなのまだまだです」。撮影合間には珍事をネタに共演者を笑わせた。ドラマ収録が過酷なスケジュールだっただけに共演者と一体感が強い。「チームワークでいい作品にしてみせます」。奮闘はスクリーンに刻み込まれる。【松田秀彦】

[2006年10月27日7時39分 紙面から]

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