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「幸福の黄色いハンカチ」米でリメーク
77年に公開された山田洋次監督(75)の名作「幸福の黄色いハンカチ」が、アカデミー賞コンビでリメークされることが12日、発表された。都内で山田監督とリメーク版プロデューサーのアーサー・コーン氏(68)が会見した。同氏はアカデミー賞6回獲得の世界的プロデューサーで、高倉健(75)が演じた主人公は、アカデミー俳優ウィリアム・ハート(56)が演じる。米ルイジアナ州で3月から撮影に入り、公開は09年予定。アカデミー賞獲得も狙っている。
何度もあきらめたリメークがようやく決まり、山田監督は「感慨無量です」と喜びを語った。ハリウッドからのリメーク依頼は16年前から何本も届いてきたが、いずれも製作者側の事情で頓挫した。コーン氏が名乗りを上げたのは4年前。映画製作者として初のボストン大名誉教授にも就任した世界的な大物プロデューサーでもあり、同監督は「コーンさんが乗り出したことで面倒なことが解決して具体化しました」。
日本版の主演は存在感抜群の高倉が務めた。米国版「ザ・イエロー・ハンカチーフ」は屈指の実力派が演じる。主演のウィリアム・ハートは85年「蜘蛛女のキス」で米アカデミー賞主演男優賞とカンヌ映画祭最優秀男優賞を獲得。その後もアカデミー主演男優賞に2度ノミネートされた。今回のオファーを受けると他作品をキャンセルして引き受けた。アカデミー賞獲得も夢ではない強力タッグに同監督も「きちんとした作品になると感じています」と期待を寄せた。
「幸福の黄色いハンカチ」は77年公開。日本アカデミー賞作品賞など各映画賞を総なめした。コーン氏は「人生はあきらめてはいけないというメッセージが世界中の人に理解されるはず」と魅力を語った。原作は米国の新聞社出身の作家ピート・ハミル氏のコラム。実は“米国生まれ”という背景も、30年の時を経てリメークが成立する原動力になった。同監督も「もともと米国の物語を翻案したもの。米国で映画化された方が力強い作品になるのでは」と話した。
日本版は北海道を舞台にしたロードムービー。米国版は「移動するたびに景色が変わり、独立系映画に理解が深い」としてルイジアナ州で撮影を行う。製作費は約19億円。ハリウッド大作には見劣りするが、コーン氏は「観客が登場人物にどれだけ心を寄せてくれるかが大切」と胸を張った。
[2007年2月13日8時43分 紙面から]
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