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「監督・ばんざい!」ベネチアで好評
- 特注腕時計を贈られ笑顔を見せる北野武監督
【ベネチア8月31日=近藤由美子】北野武監督(60=ビートたけし)の「監督・ばんざい!」が好評を博した。30日夜(日本時間31日未明)、特別招待作品として上映され、エンドロールが流れ始めるとほぼ全員が立ち上がり拍手を送った。終始笑いが絶えず、ジダンと書かれた人形が頭突きをするシーンでは大爆笑に包まれた。ベネチア常連監督も、予想以上の反応の良さに「驚いたよ」。照れくさかったのか、拍手開始後わずか2分で会場を後にしてしまった。
この日が世界初披露。「自虐的な映画でかなり無理しちゃって日本ではヒットしなかった。参ったな、と思っていた」。上映はこれから開始する海外セールスに向けての試金石となるだけに、珍しく緊張感が漂っていた。
実は、カンヌ映画祭で見せたちょんまげ姿に続き、ひそかにピエロの衣装を用意していた。「上映前はまだ明るかったしね。表彰までしてもらった場で、滑って受けなかったら恥ずかしいしさ」と、“ピエロ封印”の理由を明かした。
31日付のイタリア有力紙も一斉に「監督-」について触れたが、評価が分かれた。「話の1つ1つがまるで絵画のようだった」(コリエラ・デラ・セラ紙)「映画に対する愛情がうかがえる」(イル・マニフェスト紙)とする一方、「前半はファニーだったが、後半はギャグの質が落ちているのでは」(レプブリカ紙)と厳しい指摘もあった。
現在、ダメな芸術家を描いた作品で、脚本が途中であることも明かした。「珍しく早く映画を撮りたいと思っている。久しぶりにワクワクしてるんだよ」。「ホッとしたよ」という言葉通り、緊張感から解放されたせいか、次回作にも口が滑らかだった。
[2007年9月1日8時25分 紙面から]
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