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森田監督がトヨエツに松田優作さん見る

 森田芳光監督(57)は豊川悦司(45)に松田優作さん(享年39)を見たという。80年代に映画「家族ゲーム」「それから」でコンビを組み、後に伝説となる優作さんの新しい魅力を引き出した。「サウスバウンド」「椿三十郎」と続けて起用した豊川の意外性ある演技に「飛んでいる!」と感激した。タイプこそ違うが、時代を超え同じ手応えをつかんでいる。

 豊川は「サウスバウンド」(6日公開)で元過激派の破天荒オヤジを演じた。強い信念から年金未払いを続け、息子が通う小学校校長とも対決。移住先の西表島では観光開発業者や政治家とも衝突する。ユーモアあふれる立ち居振る舞いを見せながら、「ナンセンス!」と叫び権威に立ち向かう。少々強引な性格だが憎めないキャラクター。従来のクールなイメージと懸け離れた豊川の演技が新鮮に映る。森田監督は「すごく飛んでますよ」と笑う。

 その変ぼうぶりはかつて同監督が83年「家族ゲーム」で、優作さんのニヒルなアクションスターというイメージを一新させた時と重なる。あくの強い家庭教師役。とぼけたふりをしながら、教え子を強引な方法で指導する。ひょうひょうとした演技が新鮮だった。「結果的にそう言われるならうれしい。豊川さんも、実はユーモアがあって本当に面白い人ですから」。

 「サウスバウンド」の前に撮影した「椿三十郎」の現場でその資質を見抜いていた。織田裕二(39)演じる主人公の敵役。黒沢明監督がメガホンを取った62年公開のオリジナル版で仲代達矢(74)が演じた知略を巡らせる策士だ。「撮影の合間で見せる表情やたたずまい、会話の内容などから、本人は否定しますけど『サウスバウンド』も地でできる部分があると確信しました」。

 「椿三十郎」で初起用する前は「とっつきにくそうな俳優」だと思っていた。「そういう印象と、撮影に入るまで持っていた緊張感は、優作と初めて組んだ時と似てましたね」。

 世紀をまたいで出会った2人を「確かにイメージは似ているところもあるかもしれないが、タイプは違う」という。優作さんは「自分は絶対的な男でだれが何と言おうと、自分が一番の男だと信じていた」。豊川は「相対的な男。男の頂点と自分を見る人もいるだろうし、何番目かの男と見ている人もいるだろうと思っている人です」。優作さんには「カリスマ性」を感じた。豊川は「柔らかさを持つ現代のスター」という。

 優作さんの早すぎる死で、名コンビは2作品で幕を閉じた。「いつまでこだわっても仕方がない」とあきらめかけていた中で出会ったのが豊川だった。「向こうはいろいろな監督と組みたがるでしょうけど、『サウスバウンド』で見せた豊川さんを超えると感じられる作品と出会ったら、ぜひやってみたいと思う」と再タッグを希望した。

[2007年10月2日7時51分 紙面から]

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