今年のアカデミー賞でエマ・ストーンの主演女優賞など6部門を受賞したロサンゼルスを舞台にしたミュージカル映画「ラ・ラ・ランド」が、ロサンゼルス市の観光客誘致に貢献したとして、4月25日が「ラ・ラ・ランドの日」に制定されました。日本でも公開中の本作は、ストーン演じる売れない女優とライアン・ゴズリング演じるジャズピアニストの恋を描いたオリジナルミュージカル。ロサンゼルスの様々な観光名所で撮影が行われており、国内外から大勢のファンが訪れるなどロサンゼルスの観光に多大なる影響を与えたといわれています。4月25日にはロサンゼルス市庁舎前で記念式典が行われ、屋上から壁に吊るされたダンサーたちが映画の挿入歌に合わせて踊ったり、ロサンゼルス市長も自らピアノ演奏を披露するなど大いに盛り上がりました。

米映画「ラ・ラ・ランド」のワンシーン
米映画「ラ・ラ・ランド」のワンシーン

 映画の都ロサンゼルスでは様々な映画のロケが行われていますが、ロケ地としてだけでなく、映画の舞台としてロサンゼルスの街そのものがフィーチャーされている映画もたくさんあります。「ラ・ラ・ランド」以外にもこんなにたくさんあるロサンゼルスを舞台にした映画を一挙まとめてご紹介します。

 ロサンゼルスが舞台の映画としてもっとも有名なのは、ジュリア・ロバーツとリチャード・ギア主演の「プリティー・ウーマン」(90年)ではないでしょうか。ビバリーヒルズを舞台にしたシンデレラストーリーは多くの女性を虜にし、ビバリーヒルズは女性の憧れの地となりました。同じくビバリーヒルズを舞台にした作品には、他にもエディ・マーフィー主演の「ビバリーヒルズ・コップ」シリーズなどもあります。

 80年代の作品では、ブルース・ウィリス主演の「ダイ・ハード」(88年)も有名。劇中に登場する「ナカトミ・プラザ」と呼ばれる日系企業の本社ビルは、センチュリーシティにある20世紀フォックスの本社ビル「フォックス・プラザ」です。超高層ビルなので、遠くからでも見ることができ、その独特な形から今でも「ダイ・ハード」のビルとして地元では親しまれています。

 90年代はLAを舞台にした作品がたくさん作られています。サンドラ・ブロックとキアヌ・リーブス主演の「スピード」(94年)、ジョニー・デップ主演の「ニック・オブ・タイム」(95年)、アル・パチーノとロバート・デ・ニーロが共演する「ヒート」(95年)、1950年代のロサンゼルスと映画業界を見事に再現した「L.A.コンフィデンシャル」(97年)、メグ・ライアンとニコラス・ケイジ主演の「シティ・オブ・エンジェル」(98年)など、多くの映画ファンの記憶に残る名画がたくさんあります。

 クリスマスを間近に控えたロサンゼルスで起きた交通事故を起点に、人種差別を描きアカデミー賞作品賞に輝いた「クラッシュ」(04年)や、主演のデンゼル・ワシントンが主演男優賞を受賞した「トレーニングデイ」(01年)など、アカデミー賞に輝いた作品もあります。作品賞にノミネートされた「her/世界でひとつの彼女」(13年)、デヴィッド・リンチ監督が監督賞にノミネートされた「マルホランド・ドライブ」(01年)なども、LAを舞台にした作品です。

 近年では、他にもトム・クルーズ主演の「コラテラル」(04年)、クリント・イーストウッド監督が1920年代にロサンゼルスで実際に起きた事件を映画化した「チェンジリング」(08年)、ジュリア・ロバーツやテイラー・ジェシカ・アルバら豪華キャストでバレンタインの日の出来事を描いた「バレンタインデー」(10年)、ハリソン・フォード主演の「ハリウッド的殺人事件」(03年)なども映画ファン必見のロサンゼルスを舞台にした映画です。

 最近では「ワイルド・スピード SKY MISSION」にも、ロサンゼルスが舞台のシーンもたくさん登場しています。ヴィン・ディーゼル演じるドミニク・トレトの家はロサンゼルスに実在していますし、ポール・ウォーカー演じるオコーナーが初デートしたレストラン「チャ・チャ・チャ」も本物です。また、感動のラストシーンとなったオコーナーの最後のドライブシーンもロサンゼルス近郊で撮影されています。

 ロサンゼルスの魅力や素顔を垣間見ることができる作品がいっぱいなので、連休にDVDでチェックしてみてはどうですか。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)