米経済誌フォーブスが毎年発表する「世界で最も稼いだセレブ」ランキングで、全米一有名なセレブ一家「カーダシアン家」の末っ子でタレントのカイリー・ジェンナーが最年少の弱冠19歳で59位に初ランクインして注目を集めていますが、ハリウッドでは副業で大金を稼ぐセレブも少なくありません。ジェンナーは、リアリティ番組の出演料の他に自身がプロデュースするコスメブランド「カイリー・コスメティックス」や姉ケンダルと姉妹でプロデュースするファッションラインなどで年間4100万ドルも稼いだとのこと。その原動力となったのが、カイリーのようなセクシーでぷっくりした唇になれるとして爆発ヒットしたリップキットで、これは発売からなんと30秒で完売したと言われています。

 カイリー同様にドラマ「フルハウス」の子役から見事にファッションデザイナーへと転身したオルセン姉妹も19歳の時に2人合わせて2100万ドルを稼いで06年度の25歳以下の有名人長者番付で2位ランクインするなど、ハリウッドでは知名度とイメージを売りに副業で大成功を収めるセレブたちがたくさんいます。

 ◆ジェシカ・アルバ

 「ファンタスティック・フォー」シリーズや「シン・シティ」(05年)など数々の映画に出演してセクシー女優としても人気だったジェシカ・アルバは、今では女優業よりも企業家として大忙し。子供が生まれたことをきっかけに11年に有害物質や合成香料などを含まない安全安心のベビーケア製品を発売するオネスト・カンパニーを設立。環境にやさしいエコな商品はたちまち世のママたちをとりこにし、わずか数年で170億ドルの価値がある企業にまで成長しました。その後、集団訴訟などで苦しい立場に立たされているものの、起業家として今後の活躍が期待されています。

 ◆グウィネス・パルトロー

 女優の副業ビジネス進出の先駆けとなったグウィネス・パルトローは、ライフスタイルウエブサイトGoopで大成功を収め、今では女優業を引退することも考えるほど。エレクトロニックコマース(電子商取引、EC)を展開しているほか、料理本を出版するなどマルチな活躍を見せています。

 ◆ロバート・デ・ニーロ

 かつてセレブによるレストラン事業がはやった際には大勢のスターがレストランを経営していましたが、ロバート・デ・ニーロは現在もレストラン業で成功を収めている数少ないセレブの一人。ロサンゼルスにイタリアン・レストランAGOをもっている他、ハリウッドセレブに絶大な人気の著名シェフ、ノブ・マツヒサ(松久信幸)氏と一緒に高級日本食レストランNOBUをオープンし、世界各国に進出しています。2人はラスベガスにNOBUホテルを開業するなど、ホテル事業にも乗り出しています。

 ◆スカーレット・ヨハンソン

 日本で人気の漫画「攻殻機動隊」を実写化した映画「ゴースト・イン・ザ・シェル」に出演したスカーレット・ヨハンソンは、昨年10月に仏パリにポップコーン専門店ヤミー・ポップをオープン。仏人ジャーナリストの元夫と一緒に始めたビジネスですが、初日には自ら店頭に立って接客もする様子も見られました。アメリカらしいフレーバー入りグルメポップコーンは、グルメ通のフランス人にも気に入られているようです。

 ◆アシュトン・カッチャー

 映画「スティーブ・ジョブズ」(13年)でアップルの共同創設者のひとりであるスティーブ・ジョブズを演じたこともあるアシュトン・カッチャーは、投資家としての顔を持っています。ツイッターやエアビーアンドビー、ウーバーなど多数のITやテック企業に投資をし、大成功を収めています。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)