ヘンリー王子と米女優メーガン・マークルの婚約が正式に発表され、英国のみならず世界中が注目する結婚式は来年5月にロンドン近郊のウィンザー城の聖ジョージ礼拝堂で行われることが決まりました。

 昨夏の出会いから遠距離交際を経て、王子の心をつかんでロイヤルファミリー入りを果たしたマークル。女優からプリンセスとなるシンデレラストーリーの陰で、過去の離婚歴や母親がアフリカ系であることから英王室の根強い人種差別的な考え方などもクローズアップされており、祝福ムードと共に「王子の妻には不適切」といったネガティブな反応もあるようです。

 マークルは世界エイズデーの1日、ヘンリー王子とともにエイズ撲滅運動に関するチャリティーイベントに出席し、さっそく初めてとなる2人揃っての公務もこなしました。婚約後初めて公の場に登場する2人を一目見ようと英国旗を片手に沿道に詰めかけた大勢の人たちを前に、マークルも笑顔で市民と接し、花束を受け取ったり、握手や記念撮影にも応じるなど完璧に公務をこなして大成功だったといわれています。

 また、婚約会見直後に着用していた白いコートが完売するなど、早くも「メーガン効果」を発揮しているマークルだけに初公務のファッションにも注目が集まりました。この日持っていたスコットランド・エディンバラ発のブランド、ストラスベリーのバーガンディカラーのミディアムトートは、メディアに映し出されてからわずか11分で完売。新たなロイヤルファミリーとして注目の高さを証明したマークルでしたが、一方で格式や伝統を重んじる英国の人々からは、いわゆるアメリカ人女性の代表ともいえるカリフォルニアガールそのもののイメージを持つマークルに対し、「気品がない」「キャサリン妃とは育ちが違う」など批判的な意見もあるようです。

 実際にこのトートバッグもロイヤルファミリーには似つかない大きく庶民的なバッグだったという意見や婚約会見後の記念撮影に王室の伝統を破って素足で登場したことなども、気品あるロイヤルファミリーにはふさわしくないと見る人も多かったようです。

 さらに旧友からは、「子供の頃から王室に憧れ、ダイアナ妃のような存在になりたがっていた。彼女は欲しい物はなんでも手に入れてきた。ヘンリー王子は彼女の演技に引っかかっただけ」と暴露され、計算ずくで王室入りをもくろんできたかのようにもいわれていますが、女優としてドラマ「SUITS/スーツ」以外では特筆すべきキャリアは何もないバツイチでヘンリー王子よりも年上のマークルが、両親の金銭問題や兄の逮捕歴、家族との不仲説などさまざまな問題やバッシングを乗り越えて婚約をゲットしたことは事実。そこにたくましさやしたたかさを感じる人も少なくないのかもしれません。

 いずれにしても、来年はウィリアム王子とキャサリン妃の第3子誕生とヘンリー王子の結婚というおめでたい出来事が続き、イギリスは祝福ムードの1年になりそうです。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)