就職活動…手当たり次第受ける方法もありますが、やりたいこと・なりたいものをきちんと考えて、業界を絞り、その上で滑り止めとして別業界も受ける、という方法をとると効率的です。やりたいことを仕事にできたら最高ですよね。でも向き不向きも考えると思います。では、アナウンサーに向いているのはどんな人でしょうか。

トーク編27「アナウンサーの向き不向き~就活編②~」

 【前回までのあらすじ】ダイエット編と並行して連載中のトーク編。アイドルやアーティストに行っているトークレッスンの内容を公開していますが、前回からアナウンサーを目指す学生に向けてのメッセージをお届け中。大学3年生はそろそろ本格的に就活準備をするのがおすすめです。

SOLIDEMOスペシャルライブ終演後メンバーの皆さんと五戸です(2017年6月、岐阜カラフルタウンで)
SOLIDEMOスペシャルライブ終演後メンバーの皆さんと五戸です(2017年6月、岐阜カラフルタウンで)

一に「体力」二に「体力」

 まず、当たり前といえば当たり前ですが、体力のある方。例えば朝6時からの生放送を担当したら、朝4時には出勤するので、午前2~3時に起きなければなりません。それが月曜~金曜の番組なら、平日は毎日2~3時起き。それに耐え得る体力が必要です。

 でも、朝が早いと帰るのも早いので、そこまで心配はいりません。各社の規定にもよりますが、大抵アナウンサーは“時差出勤”なので、出社時間から数えて8~9時間後が定時になります。例えば朝4時に出勤したら、午前11時か正午までで帰っていいので、午後は自分の時間になりますし、早く布団に入れます。もちろん残業がある場合もありますが、長時間労働を強いられることは基本的にはありません。(私は朝も夜も関係なく働いてみたくて、会社員のままアナウンサーを続けることを諦めたわけですが、それは置いといて…)

SOLIDEMOスペシャルライブ&浴衣ファッションショーで司会を務めた五戸です(2017年6月、岐阜カラフルタウンで)
SOLIDEMOスペシャルライブ&浴衣ファッションショーで司会を務めた五戸です(2017年6月、岐阜カラフルタウンで)

へこたれない精神力

 そして、精神的にも強い方。自分も新人アナウンサー時代、圧倒的に先輩方がうまくて、自分だけが下手で、先輩やディレクターの方がたくさん教えてくれるんですが、すぐには教わった通りにできず、それでも次の放送はやってきて、でもやっぱりうまくできなくて、自分が嫌になる、なんてことが山のようにありました。

 他にも、住んだことのない地方のアナウンサーになって、1人で“自分が嫌になる”状況になって鬱々としていた同期もいましたし、なかなかうまくなれずに視聴者の方から批判的なご意見をもらい辛くなってしまうような後輩もいました。

 でもよく考えれば、素人がメディアに出るということがそもそも稀有なことで、有り難いことです。あまり悩まずに、周りに感謝して、それでいて切磋琢磨していける精神力がある方は向いていると思います。

“目立ちたがり屋”から“目立たせ屋”に

 最後に、アナウンサーになりたい方というのは、大小さておき目立ちたがり屋さんが多いと思います。私も言わずもがなで、生徒会長や部長に率先してなるタイプでした。

 ただ、アナウンサーは主役が自分でないことがほとんどです。ニュースを読む場合はニュースの中身が主役、読んでいる人が変に目立つのはご法度です。番組ならゲストが主役だったり、インタビューなら答える人が主役。自分が一番前に出たい、という方はあまり向いていないかなと思います。それだったら、俳優やモデルや芸人を目指したほうがなりたいものに近いのかなと。アナウンサーならアシスタントができる人、野球で言えばチームバッティングができる打者的な存在が求められるところはあります。

花火写真家・金武武さんトークショーで司会を務めた五戸です(2017年6月、新宿・クラブツーリズム本社で)
花火写真家・金武武さんトークショーで司会を務めた五戸です(2017年6月、新宿・クラブツーリズム本社で)

極論:自分を客観視できるか

 といっても、アシスタントしかできないのも考えもので、普段は自分の意見を言う場はないけれど、いざ求められればメインMCもできる、そんな切り替えができるのが理想ですが、それは入ってからの話ですね。

 極論を言うと、本当に向いているかどうかはなってみないとわからない、というと元も子もないですが、向いているかどうかを判断するのは自分なので、その見極めができる人が一番の向いている人なんだと思います。(次回トーク編は第28回「アナウンサー試験対策とは」です)

本日のごのへの・ご・ろ・く

究極は 受かった人が 向いてる人 受かるまでに 努力できる人