日本屈指の多国籍タウンと化している東京都新宿区・大久保エリア。韓国人が多いことからかつては「コリアンタウン」と呼ばれたが、最近では韓国人や中国人に限らず、ネパール人、ベトナム人、ミャンマー人なども目立ち、現在では歩いている人の半分以上が外国人と思われるほど、独特の雰囲気を形成している。

ネパール人ら向け専門の食材店も複数できているほどで、おしゃれで気取った雰囲気の街がどうにも苦手な筆者としては、近年の同エリアが放っている、良い意味での“アジアン・カオス”的エネルギッシュさはこの上なく心地よい。

そんなことはさておき、そんな大久保エリアで最近、「大久保通り」と「小滝橋通り」の交差点にある、いつも行列ができている店が気になっていた。

先日の週末などは日中、若い女性を中心に、かつての人気ラーメン店のごとく100人近い「大行列」ができていたから、もはや“事件”だ。

「茶加匠」にできていた大行列。本来は自分も長時間並んでみるのが記者の仕事だが、空腹に負け、約150メートル離れた「すき家」へ“敵前逃亡”
「茶加匠」にできていた大行列。本来は自分も長時間並んでみるのが記者の仕事だが、空腹に負け、約150メートル離れた「すき家」へ“敵前逃亡”

この「大行列ができる店」は、台湾発の「タピオカドリンク」専門店の「茶加匠(チャカショウ)」。「タピオカミルクティー」などのタピオカドリンクは台湾で人気の飲料で、この「茶加匠」でも紅茶、緑茶、ジャスミン茶、ウーロン茶など台湾から取り寄せた茶にミルクティーを掛け合わせ、タピオカ(※イモの一種「キャッサバ」の根茎から作ったデンプンで、小さな玉状にするとモチモチした食感で知られる)を入れたものなど、多数のドリンクメニューがある(※と言っても実際はまだ利用できていないから、公式サイトや店頭の看板などを見て知った付け焼き刃的知識)。

フルーツ40%+お茶60%などの変わったフルーツ系ドリンクメニューもあるほか、「仙栗ゼリー」「寒天ゼリー」「ナタデココ」などのトッピングも可能。アイスもホットも可能で、甘さが0%~100%まで調節できるといい、そのあたりも人気のわけか(※しつこいようだがまだ利用していないため、完全に知ったかぶり的記述)。

この「茶加匠」がある物件はもともと不動産店が入っていたが、確か昨年ごろ閉店(もしくは移転)。「『吉野家』か『Sガスト』あたりが入らないかな~」なんて思っていたら、そこに今年2月ごろ、「茶加匠」がオープンし「何の店だ?」と思ったことを記憶している。

当初は行列はなかったはずだが、ここ数カ月、ここを通るたびによく行列ができており、それがみるみる長くなっているのが気になっていた。

店内にはカウンター席が5席しかないから、多くの客はテークアウトしていると思われる。

というわけで、本来「体験主義系記者」としては行列に並んで何とかタピオカミルクティーかなんかにありつき、「ドリンクを飲むまでに何分かかった」とか「タピオカの食感とお茶のハーモニーが最高だった」などと書かねばいけないのだが、行列が長すぎて戦意喪失したのと、行列の多くが若い女性で溶け込むまでに精神統一が必要だったことと、空腹で「茶加匠」より「すき家」に行きたかったこと、などの諸理由により今回は断念。

そもそも最近、大久保エリアなどでこの「タピオカドリンク」がブームになっているようで、大久保駅に近い、大久保通り沿いの「閑茶坊(カンチャボウ)」でもなかなかの行列ができていて目立っていた。

別の日、同じタピオカドリンク店「閑茶坊」でもなかなかの行列が。ここでも並ぶのがめんどくさくて「ルノアール」へ直行
別の日、同じタピオカドリンク店「閑茶坊」でもなかなかの行列が。ここでも並ぶのがめんどくさくて「ルノアール」へ直行

ほかにも大久保・新大久保エリア周辺には「Chatime(チャタイム)」など、タピオカドリンクが楽しめる人気店があるらしい。

本来、店の店員らに取材を申し込んで「なぜ、人気なのか」「おすすめメニュー」「1日に売れる商品数」なども聞きたいところなのだが、どう考えても、劇的に忙しいはずで、飛び込みの取材申し込み交渉をすること自体が業務妨害になりかねないため、それも断念。

近日中に覚悟を決めて並び、若い女性グループたちにまじってタピオカのモチモチ感を満喫するか。

【文化社会部・Hデスク】