昨年10~11月から「すき家」「吉野家」「松屋」などの牛丼系チェーンで「すき焼き系メニュー」(※いずれもカウンター上で火を使い、鍋でぐつぐつ煮て食べるのが特徴)が始まったのだが、今月中旬、そのうちの1つ、すき家の「牛すき鍋定食」が残念なことに、当初の予定通り販売期間終了となった模様。

実はこの原稿、すき焼き系メニューが出そろった2カ月前に書く予定だったのだがすっかり忘れていて、そのまま今に至っていた。というわけで今回は、「牛すき鍋定食」が終わったタイミングということで、牛丼系チェーンの冬季「すき焼き系メニュー総括」をしてみたいのだが、正直、どれも甲乙つけがたい。

ただ、個人的には、肉などをつけて食べるための生卵が、標準で2個ついた「ダブル生卵」戦略を打ち出してきた、すき家の「牛すき鍋定食」に軍配をあげたい。

“ダブル生卵”が圧倒的な魅力を放っていたすき家の「牛すき鍋定食」(※サラダなど別注文)
“ダブル生卵”が圧倒的な魅力を放っていたすき家の「牛すき鍋定食」(※サラダなど別注文)

すき焼きの大きな魅力は、アツアツの牛肉にしみ込んだタレの旨みと、冷たくつるっとした生卵がからみ合うハーモニーかと思われるが、この「ダブル生卵」は、すき焼きでよくある「時間の経過とともに、肉をつける生卵がどんどん減っていく」という悩みを一気に解決し、最初から、生卵の減少をあまり気にせず、豪快に肉をひたして食べることができたから、かなりの満足感を得られた。

かといって、決して、吉野家「牛すき鍋膳」や松屋「牛鍋膳」が劣っているというわけではない。吉野家の「牛すき鍋膳」はタレに“3大旨み成分”を追加しておいしさをアップしたというだけでなく、1食で半日分の野菜がとれるヘルシーさもウリ。

抜群の安定感を誇る吉野家の「牛すき鍋膳」(※ごぼうサラダなどは別注文)
抜群の安定感を誇る吉野家の「牛すき鍋膳」(※ごぼうサラダなどは別注文)

松屋の「牛鍋膳」は牛肉とタマネギ、豆腐のハーモニーがバッチリで、特製すき焼きダレの味がごはんに抜群にマッチして、何杯でもおかわりできそうな勢い。

ごはんによく合い、想像以上のおいしさだった松屋の「牛鍋膳」(※とろろなどは別注文)
ごはんによく合い、想像以上のおいしさだった松屋の「牛鍋膳」(※とろろなどは別注文)

このほか定食系チェーンの「やよい軒」でも、季節メニューとして「すき焼き定食」「特すき焼き定食」(※肉が2倍)が販売されており、はっきり言ってかなりのクオリティーだ。

「すき焼き定食」より肉が2倍という、やよい軒の「特すき焼き定食」。文句なしだ(※サラダなどは別注文)
「すき焼き定食」より肉が2倍という、やよい軒の「特すき焼き定食」。文句なしだ(※サラダなどは別注文)

「牛すき鍋定食」の販売を終了したすき家だが、筆者が先日行ったすき家では、昨年11月の同日に期間限定販売が始まった「牛すき焼き丼」がまだ扱われており、すき家公式サイトでも「牛すき鍋定食」はなくなっていたものの、「牛すき焼き丼」はまだPRされていた。

すき焼き系メニューではないが、丼&うどんが主力のチェーン「なか卯」では、一昨日(今月17日)から“冬の定番”こと「担々うどん」が今年も発売されたばかり。

ゴマペーストと和風出汁、そぼろのコラボが秀逸ななか卯の「担々うどん」、筆者は例年、生卵(※商品名は「こだわり卵」)を1個投入して食べていたが、今年は「牛すき鍋定食」の影響を受け「ダブル生卵」投入を実験的に敢行してみたい所存。

牛丼など丼系チェーン店のメニューは季節を反映し、どんどん移り変わっていくから、なかなか飽きない。【文化社会部・Hデスク】