東京・新宿で最近、ドラッグストアの24時間営業が相次いで始まっている。昨年11月には、多くのアジア系外国人が深夜まで行き交う大久保エリアの大久保通り沿いにある「スギ薬局・北新宿3丁目店」が処方箋対応も含め、24時間営業化に踏み切った。

また同12月には、新宿駅西口と東口の間にあるJR線のガード、通称「大(おお)ガード」のすぐそばで、かつ、青梅街道(靖国通り)と小滝橋通りの交差点という人も車も終日多い好立地にできた大型ビルの中に「ウエルシアO-GUARD新宿店」がオープンし、当初から24時間営業している。

多くのアジア系外国人が行き交う大久保エリアでも「スギ薬局北新宿3丁目店」が24時間営業に舵を切っていた
多くのアジア系外国人が行き交う大久保エリアでも「スギ薬局北新宿3丁目店」が24時間営業に舵を切っていた

新宿エリアではもともと、「マツモトキヨシ」が新宿東口店、新大久保店で24時間営業を実施。また昨夏ごろからだったか、高層ビル街に近い「ドラッグセイムス西新宿6丁目店」も24時間化している。

ウエルシアは新宿に限らず、15年ごろから24時間店の拡大戦略を開始。スギ薬局も17年9月から24時間店をスタートさせ、今後も増やしていく方向とされている。

歌舞伎町や西新宿の高層ビル街にも近く、新宿「大ガード」のすぐそばにできた「ウエルシアO-GUARD新宿店」も24時間営業だ
歌舞伎町や西新宿の高層ビル街にも近く、新宿「大ガード」のすぐそばにできた「ウエルシアO-GUARD新宿店」も24時間営業だ

働き方改革や人材不足問題などで飲食業界などが次々24時間営業や朝まで営業を打ち切る動きが目立つ中、ある種“逆行”するかのような勢いだ。

筆者も職業柄、深夜行動が多いが、新宿エリアでは近年、歌舞伎町、大久保通りなどでは朝までアジア系外国人を含む多くの人々が歩いている。また繁華街の社交飲食店や深夜酒類提供飲食店で勤務する人ももともと多く、深夜以降の需要があると思われる。

ドラッグストアや薬局の場合、緊急の時やイザという時に「あいていて頼りになる」という安心感を求める利用者も多いと考えられ、そのあたりも24時間化加速の背景にあるのかもしれない。さて今後もこの傾向がさらに続くのか、あるいは“撤退”する動きが出るのか、粛々とウオッチしていきたい。

【文化社会部・Hデスク】