あえてライトに説明すると、大人への入り口を間違えちゃったヤンチャ坊主たちの「裏・中学生日記」。だが、実際には重苦しく、エグい描写が満載なダークファンタジーだ。

 田宮(野村周平)ら仲良し3人組が結成した「光クラブ」は、いつしか9人に増え、カリスマ中学生ゼラ(古川雄輝)に絶対服従の力関係になっていた。大人を醜いと否定し、なぜかドイツ語を駆使する「中2病」全開な少年たちの目的は、完全無欠のロボットを作ること。しかし、冷酷なゼラの命令、クラブに希望をもたらすはずの美少女(中条あやみ)の存在をめぐる男たちの恋愛感情で、仲間関係に亀裂が入っていく。

 イケメンに天才、オネエ系とさまざまな設定の中学生だが、平均年齢23歳で10代はゼロ。ただ、コスプレ学ランに突っ込みを入れていたら話が進まないので、強引に中学生に脳内変換する割り切りが必要だ。「処刑」という名の暴力、倒錯した性、仲間の裏切りなど「中2フルコース」の後、まさかのどんでん返しで幕切れ。最後に一言。女の嫉妬も怖いが、男のそれもたいがいだ。【森本隆】

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