異次元から地球侵略のためにやって来たKAIJU(怪獣)と、イェーガーと呼ばれる巨大ロボットの戦いの第2弾。前作で自分を犠牲にして地球を救った司令官の息子、ジェイク(ジョン・ボイエガ)が主人公だ。ボイエガは「スター・ウォーズ」新シリーズのフィン役で人気になった。今回は、イェーガーのパイロットスーツが似合っている。

 前作と比べて戦闘シーンが格段に見やすくなった。イェーガーのスピード感がアップし、暗めだった場面が明るく細部まではっきり見える。

 「シェイプ・オブ・ウォーター」で作品賞、監督賞を受賞したギレルモ・デル・トロは、前作で監督を、当作で製作を務める。「シェイプ-」では人間と半魚人の恋を、言葉を交わさずとも通じ合う2人をロマンチックに描いた。当作でも、人間とKAIJUが心をつなげる場面が出てくる。ロマンチックとは言えず、とんでもないことになるのだが…。

 男の子の夢満載、といった雰囲気の作品だが、パイロットにあこがれ、ミニイェーガーを自作するのは、少女。彼女の存在が、作品の幅を広げている。さらにスケールアップしそうな続編に期待。【小林千穂】

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