春は人事異動のシーズンです。3月下旬は官公庁で大規模な人事異動が発令されます。「降格」の大ピンチに直面している大阪府の広報担当副知事を務めるマスコットキャラクター「もずやん」は3月最終週に運命の日を迎えます。チームもずやんのスタッフ「おじやん」も自らの処遇を心配しています。もずやん&おじやんの名コンビが解散の危機です。

 もずやんは昨年12月末までの1年間、副知事からの「降格」をかけて認知度アップなどに取り組んでいました。

 <1>府民の認知度75%

 <2>ツイートの閲覧数(月平均)200万件

 <3>イベントの出演回数(年間)400回以上

 <4>もずやん名刺の配布枚数(年間)2万枚

 <5>メディアの登場回数(年間)200件

 5つの数値目標を掲げていましたが、府民の認知度が目標の75%を下回る65%。ツイッターの閲覧数は月平均200万件の目標に対し約190万件。2つの数値目標が達成できませんでした。

 昨年末、知事室で成績表を受け取ったもずやんは、松井知事から「世の中は厳しいもんや。社会人は結果が伴わないと評価してもらえない」と厳しい声をかけられ、肩を落としました。処遇について、松井知事は「追って沙汰を出す」。

 ご沙汰は、3月末に下ります。イベントなどにもずやんとのコンビで参加してきたおじやんは、大阪府の広報広聴課の課長補佐、青山宏さん(52)。ゆるキャラブームに乗り遅れていたもずやんですが、4文字熟語の一部を替えた特技「4もず熟語」を酷使し、「一鳥懸命(一生懸命)」にがんばってきました。その姿を見てきたおじやんは「5つのうち3つはクリアできた。大相撲で言うと、勝ち越しです。ギリギリセーフかなという気持ちがあった。ただ松井知事が『1つでもあかんかったら厳しいやろ』と。ほんと、どうなるか分からない」。眠れない日々を過ごしているそうです。

 おじやんも同課に配属されてこの3月で丸3年です。「そろそろ? まあ、私の場合はどうなんでしょうね。職員なので、人事異動があるかもしれませんし、ちょっと分からないんですよ」。こちらもドキドキモードです。

 府職員の人事異動も3月最終週に発令されます。もし、もずやんが「降格」した場合、副知事の肩書がなくなるだけで、広報担当の仕事は変わりません。ただおじやんが異動すれば、名コンビ解消となってしまいます。崖っぷちのもずやんの処遇は? おじやんはどうなる? チームもずやんには、おにいやんもおねえやんもいます。仲間も心配しています。

 もずやんが新たに羽ばたくための「降格」なら、まあ、それもええやん?

【松浦隆司】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ」)