宙組4年目の瑠風輝(るかぜ・ひかる)は今日3日に東京宝塚劇場でミュージカル「Shakespeare~空に満つるは、尽きせぬ言の葉~」の新人公演に初主演する。

 瑠風は174センチの長身と、非凡な歌唱力で頭角を現している。「自分には起こり得ないことだと思っていたので驚きました」。緊張の面持ちが初々しい。シェークスピアの24歳まで6年間を描く。名作誕生の背景、青年の苦悩から結婚、妻の支えと夫婦の絆を楽曲でつづる。

 「(本公演主演のトップ)朝夏(まなと)さんの演技を見ていると、年代によって声のトーン、話し方も違う。6年間で変わっていく様も勉強したい」。歌唱力の評価は高いが、感情を表に出さないタイプゆえ、表現力を課題にする。

 初志貫徹がモットー。中学2年で初観劇。以前からバレエを習っており、男役にあこがれ、スクールに通った。「(受験)3回目で合格しました」。入団4年目。自分の強みは「長身」ととらえる。「踊りも、もっと大きく見せられるように」。前星組トップ柚希礼音にあこがれていた。

 「踊りも歌もお芝居も、すべてすばらしい。今までは歌で勝負したいと言ってきましたが、主演を頂き、いろんなことができるようになりたいと思います」

 センターの意識を持ち、欲も出てきた。輝き続ける-と誓い「輝(ひかる)」と命名。原石が光を放ち始めた。

 ◆シェークスピア没後400年メモリアル・ミュージカル「Shakespeare~空に満つるは、尽きせぬ言の葉~」 「ロミオとジュリエット」「ハムレット」「真夏の夜の夢」「オセロー」など、多くの作品を生み出した劇作家、ウィリアム・シェークスピアを主人公にしたオリジナル作。彼の創造力をともに育み、支えた妻、後援者をまじえた人間模様を描く。

 ☆瑠風輝(るかぜ・ひかる)1月26日、東京都生まれ。12年入団の98期生。同年4月、宙組「華やかなりし日々」「クライマックス」で初舞台。組回りでも同8月の宙組「銀河英雄伝説@TAKARAZUKA」に出演。宙組配属。昨夏「王家に捧ぐ歌」新人公演で、2番手真風涼帆の役に抜てき。今作で初主演。同期に月組暁千星ら。身長174センチ。愛称「もえこ」。