新人公演は4年目のホープ彩海(あやみ)せらが初主演する。宝塚が6月18日、東京は8月8日。

今春4年目に入ったばかり。新人公演初主演の彩海せらは、102期生で主演一番乗り。「とっても驚きました」。1年目から新人公演で役がつき順調にステップアップ。だが「毎回、必死だったので、急にポンと(主演が)きちゃったような感じ」と照れる。

元雪組トップ音月桂主演の「JIN-仁-」をDVDで鑑賞して以来、日本物にもあこがれていた。

「地元のミュージカル・スクールに通っていて、そこの先生がぜひ-ということで、見に行き、こんな世界があったんだ! と。ただただ、感動し、DVDでも見るように…」

女優、アイドルも輩出したスクールの主宰はOG。小学1年で加入。定期公演があり、バレエ発表の場も。中学2年時に宝塚を目指し本格レッスンを始めた。

「声楽はもともとやっていて、バレエは受験を決めてから始めました。歌と芝居が好きで、ダンスを一番、頑張りたいです」。柔らかでフェアリー系ルックスの男役。「笑顔と歌声が好き」という、あこがれの音月をほうふつとさせる。

「最初は『男役をする』ことに食らいついて。やっと、男役を楽しいと思えるように。まだ(方向性は)固まっていないけれど、公演のたびにいただく、いろいろな役にも助けられながら、探していけたら」

同期の首席入団だった舞空瞳が、次期星組トップ娘役に決まった。「うれしい。舞空は、いつも先頭に立ち引っ張ってくれた。もうすぐ、私も『下級生だから』と言ってはいられなくなるんだな」。とはいえ、男役の4年目はまだまだ駆け出し。相手娘役が上級生であることも多く、今回のヒロイン彩みちるも先輩だ。

「お芝居をする上では学年関係なく、男役として1歩先に出て見えるように」。弟キャラのイメージも残るが、頼もしさも増した。髪の毛を「人生で一番短く」し、私服も変化してきた。健康面では、のどのケアのため、ハーブティーを常飲し、加湿を意識するなど留意。心身ともに、ステップアップしている。

☆彩海せら(あやみ・せら)12月2日、鹿児島市生まれ。16年入団。雪組配属。同年秋「私立探偵ケイレブ・ハント」新人公演でいきなり役付き。昨春の全国ツアーも出演。前作「ファントム」は、本公演で主人公エリックの子供時代に抜てき。同作の新人公演では、フィリップ伯爵役。身長169センチ。愛称「あみ」。