TBS系金曜ドラマ「リバース」(14日スタート、金曜午後10時)の試写会トークショーが行われ、原作者湊かなえさんが語った感激の感想です。

 湊さんといえば、読むとイヤな気持ちになるミステリー“イヤミス”の女王。笑いとは結び付かない後味の悪さで人気のベストセラー作家ですが、ドラマでは主人公深瀬和久を演じる俳優藤原竜也さんがかなり面白いのです。試写会も要所要所で笑いが起きました。主人公の魅力がより立体化されたとして、湊さんの感激もひとしお。「キュンキュンしながら見た」と絶賛しました。

 10年前に封印したはずの親友の事故死と、真相をめぐるミステリー。藤原さん演じる深瀬は当時の関係者で、何をやってもさえないサラリーマンという役どころです。会見ではサッカーボールを蹴るシーンが話題になりました。共演の戸田恵梨香さんは「どうやったらあんなところに飛ぶのか奇跡です」と大笑いでした。

 湊さんも、そんな「深瀬」に夢中のようです。「藤原さんが演じるのだから、どうせかっこいい深瀬なんだろうと思ったら、服のセンスも悪いし背中も丸いし、『深瀬頑張りなよ』『しゃんとしなよ』って言いたくなる深瀬がそこにいた。本物だと思った」。応援したくなる魅力的なキャラクターだけに、巻き込まれていく事件の闇に期待が増します。「原作ではわりとあっさりした部分にも、深瀬のこんな涙ぐまして葛藤があったと思うと、この先がずしんときます」。

 藤原さんは「笑いが過剰かなと思う部分もありましたが、監督の指示に従っています。批判されたら監督のせいにします」と笑顔。断末魔で叫んでいるダークヒーローもののイメージが強いですが「背中を押されても先に進めない深瀬は好きですね。もぞもぞして、僕に合っていると思う」と話しています。

 金曜ドラマと湊かなえさんのタッグは「夜行観覧車」「Nのために」に続き3作目。湊さんのえぐくて切ない圧倒的な人間描写と、制作チームのハートフルな演出がどう展開していくのか楽しみです。出演は玉森裕太、小池徹平、三浦貴大、市原隼人ら。とりあえず、戸田さんおすすめの1話のサッカーシーンは必見です。

【梅田恵子】(B面★梅ちゃんねる/ニッカンスポーツ・コム芸能記者コラム)