22日に生放送されたテレビ東京「池上彰の総選挙ライブ」で、希望の党の開票センターの重苦しさをリポートしたタレント小島瑠璃子さん(23)のコメントです。昨年の参院選、今年の都議選に続く現場リポートですが、自分の言葉でよどみなく状況を伝える力量は局アナ以上。的確、聞きとりやすい、かわいいという三拍子がそろっていて、ネット上も「センスがすごい」「分かりやすい」「そのまま台風中継もお願いしたい」と絶賛。こじるり無双を実感しました。

 大躍進した立憲民主党の開票センターから移動し、両党の明暗をリポートしたこじるり。「車で1、2分の場所にありますが、状況はかなり違うと肌で感じます」ととにかく具体的で、前かがみの小さな声で「大きな声を出せたもんじゃありません」。局アナ風の定型文でも、場違いに騒ぐアイドル仕事でもない、こじるり印の品質保証。希望の党の重苦しい雰囲気を生き生きと伝えてくれました。

 両党のボードの違いにも着目し「立憲民主党のボードは、候補者すべての名前が張り出されて当選者にお花をつけていくスタイルでしたが、こちら(希望の党)では、お花をつけた当選者の名札だけ貼っています。池上さん、これはどういう理由があるのでしょうか」。自分の手に余る解説は池上さんにお任せする落ち着いた差配で、池上無双との息もぴったりでした。

 テレ東によると、こじるりは移動した現場でスタッフから「報道陣の数」「カメラの台数」「それまでの状況」の基本情報をもらうほかは、短い時間で自ら取材し、リポートしているそうです。同局では「経験の浅いアナウンサーの場合はスタッフがしっかり原稿を書いてそれを読んでもらうケースが多いのですが、小島さんは自分の言葉でまとめてリポートしています。現場スタッフも『記者ディレクターのようだ』と驚いています」。

 実際、後方を向いた時に映ったA4サイズの取材メモは、手書きのなぐり書きがびっしり。四角く囲んでいたり、ぐりぐりと塗りつぶしていたりと、限られた時間の中での取材ぶりが伝わってきます。

 立憲民主党の開票センターでも独特の視点で伝えてくれました。福山哲郎幹事長とスタジオの池上さんのやりとりをしっかり見ていて、中継を終えた福山氏の“その後”をリポートに盛り込んでいます。「ひとくち、お水を飲んで、表情が全然変わらず落ち着いているんですよね。お父さんが食卓に座って朝ごはんを待っているような、リラックスした表情なんですよ」。現場スタッフは「精悍(せいかん)な顔つき」という表現を提案したそうですが、「朝のお父さん」の方が伝わりやすいと、こじるりが提案したそうです。

 オリジナリティーあふれるリポートを聞いている池上さんもにこにことうれしそう。福山氏の表情を「かなり絶妙な表情」と総括したこじるりに「絶妙な描写ですよ」とすかさず応じました。

 立憲民主党、希望の党を立て続けにリポートして、最後は台風が近づく霞ケ関の様子をカッパ姿でリポート。消費税を扱う財務省、北朝鮮問題を扱う外務省の真ん中あたりに立ち、今回の総選挙の2大争点を総括しました。窓の電気の数から働き方改革に言及した池上さんが「最後は雨の中を中継してくれて、小島さんの働き方改革はどうなるのか」と感心しきり。池上無双とこじるり無双の共演で、視聴率は民放1位の9・8%。お見事でした。

【梅田恵子】(B面★梅ちゃんねる/ニッカンスポーツ・コム芸能記者コラム)