漫画家の故手塚治虫さんが描いた初期の代表作「メトロポリス」(1949年)や「有尾人」(同)など4作品計9枚の未発表原稿が見つかった。漫画家松本零士さんが入手し、都内の自宅で保管していた。手直し後に不要となった原稿とみられ、松本さんは「差し替えた理由が分からないほど素晴らしい。若き日の手塚さんの試行錯誤が見え、興味深い」と指摘している。

 手塚プロダクションによると、原稿はほかに「一千年后の世界」(48年)、「浮標島」(未発表)。9枚ともB6判で、色を付けた原稿も含まれる。

 「メトロポリス」は近未来の世界を描いたSF作品で、ミッチーというキャラクターが登場する。原稿には「長編冒険漫画

 超人ミッチー」という表題が書かれた扉絵もあり、「メトロポリス」と改題する前のタイトルとみられる。「浮標島」は、93年に手塚さんの自宅で見つかった構想ノートにタイトルとあらすじだけが記されていた“幻の作品”で、今回初めて原稿の存在が確認された。

 作品は近く手塚プロに寄贈される。未発表原稿は、6月に出版される「手塚治虫創作ノートと初期作品

 新発見編」(小学館クリエイティブ)に収録予定。実物は6月29日から東京都現代美術館で開催される特別展で展示される。