“筆談ホステス”こと斉藤里恵さん(31)が25日、自身のブログを更新。4月に予定されている統一地方選挙に挑戦することを発表した。

 斉藤さんは1歳10カ月の時に髄膜炎の後遺症で聴力を完全に失いながらも、東京・銀座でナンバー1ホステスにまで上りつめ、2009年に出版した自叙伝「筆談ホステス」がベストセラーになり話題に。その後、自叙伝はドラマ化もされた。10年6月に女児を出産し、シングルマザーとして育児をしつつ、セミナー講師や執筆活動を行っている。

 斉藤さんは「わたくし、斉藤りえは、今度四月の統一地方選、北区政へ挑戦することを決意いたしました」と報告。現在在住しているという東京都北区で「日本を元気にする会」の公認候補として立候補すると明かした。

 斉藤さんは「何故、聴覚障がい者、元ホステスが、政治家に?と驚かれる方が多いことと存じております」と厳しい声があることを認識しているという。しかし、「障がい者の方々が眠っている能力を開花でき、もっと活躍できるように、そのサポートがしたいとずっと考えておりました」と出馬を決意した理由を説明した。

 4年前にも出馬の打診を受けたという斉藤さんは、聴覚障がい者として、女性として、母親として主に「バリアフリー社会」「女性の社会進出」「少子化、育児」に対する政策に取り組みたいと決意を示した。

 また、斉藤さんは区議会議員となった場合、現在は議会に聴覚障がい者を前提とした仕組みがないことを認識しているといい、「変革に最初はご迷惑をおかけしてしまうかもしれませんが」と前置きをした上で、「議会からまず本当の『障がい者へのバリアフリー』が起こること自体にも、大きな意義があるのではないでしょうか」と自らがきっかけとなり、障がい者にも開かれた議会にしたいという思いをつづった。