熊本県のキャラクターくまモンの生みの親として知られる、放送作家小山薫堂氏(50)が、「第10回渡辺晋賞」を受賞し、2日、都内で行われた授賞式に出席した。

 同賞は、故渡辺晋さんが創業した芸能事務所、渡辺プロダクションの創業50周年を機に、エンターテインメント界に大きく貢献したプロデューサーを顕彰する賞として2006年に創設。小山氏は、脚本、演出だけでなく、町おこしイベントの実施など、幅広い分野でプロデュース力を発揮。10年に誕生させたくまモンが、1200億円を超える経済効果(13年日本銀行熊本支店発表)をもたらすなど、ブームに昇華させた手腕を評価された。選考委員の作家林真理子氏(60)は「満場一致でお茶を飲む間もなく決まりました」と明かした。

 式では、主催の一般財団法人渡辺音楽文化フォーラム・渡辺美佐理事長からトロフィーを手渡され、小山氏は照れ笑いした。「20代の頃は、プロデューサーなんて何もやっていないだろうと、現場ながらに大嫌いだった」と振り返った上で、「その立場になって、あらためて大変な職だと実感している。これからも謙虚に、いろいろな方からお声掛けいただけるように頑張ります」と話した。

 小山氏の受賞に、第9回受賞の松任谷正隆氏(63)石田純一(61)くまモンが祝福に駆け付けた。花束贈呈者は受賞者が決定できるといい、指名した石田のあいさつが長く「男性を褒めるのもうまいと聞いていたのですが、やっぱり女性の方がうまいようです」と突っ込み、関係者を笑わせた。

 ◆小山薫堂(こやま・くんどう)1964年(昭39)6月23日、熊本県生まれ。日大芸術学部在学中から放送作家としての活動を始め、フジテレビ系「料理の鉄人」「カノッサの屈辱」などを手掛けた。08年、脚本の映画「おくりびと」が第81回米アカデミー賞外国語部門賞を獲得。絵本翻訳、作詞などの執筆活動だけでなく、ラジオパーソナリティー、熊本県地域プロジェクトアドバイザーなど活動は多岐にわたる。