米ブロードウェーのミュージカルにデビューした俳優の渡辺謙(55)は13日、ニューヨークの劇場で日本メディアと記者会見した。「55歳にしては最大のチャレンジだ」と述べ、英語を使う大変な配役だが全力で取り組みたいと語った。

 主役を務める「王様と私」のプレビュー公演が12日始まり、初日は満員になった。日本人がブロードウェーのミュージカルで主役を務めるのは異例だ。映画との違いについて「映画はある程度間違いを許容するが、ミュージカルはミスを減らさないとお客さんに届かない」と語った。

 「王様と私」は19世紀のタイが舞台で、教育係として雇われた英国女性と王との関係を描く。王の役を務める渡辺にとって英語は外国語という前提だが、ミュージカルは全編英語だ。

 演出家バートレット・シャー氏はニューヨーク・タイムズ紙のインタビューで「(英語は)心配だ。しかし渡辺さんにやってもらうことで(英語が母国語でない東洋人と)西洋人との出会いのリアリティーが伝わる」と説明した。

 会見で渡辺は4月16日の本公演に向けて「英語で表現する力をもっと精度を上げ、深めていかないといけない」と強調した。